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ブラザーに愛をこめて
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「〜〜…っ」


あ〜!俺絶対おかしいって。
何で俺、兄貴があんな輝いて見えたんだろ…。いくら無駄に顔立ちが良いからとはいえ、少しでも輝いてる、と思った自分が痛い。
弟の欲目にしたって、この思考は完全にアウトだろ。

しかも、こんな平凡なやつがそんな風な思考をすると、キモさに拍車がかかってしまう。

「あーやめよ。俺、なんかますます落ち込んできたよ」

まだ疲れが残ってるのかも。
そう思い、俺はベッドに入るや否やさっさと寝てしまった。




 ・
 ・


「――というわけで、二週間後に控えてる修学旅行はこんな感じで行動します。何か質問のある人はいますか?」

「……‥」

忘れてた、修学旅行だった。

次の日授業が終わるとプリントを前の方から配られた。それは修学旅行の日程表だった。
そういえば、夏休み前にグループ決めとかやったよな。
兄貴のカミングアウトやらお家騒動やらですっかり忘れてた。

ふざけた奴らは、おやつはいくらまでですか。なんて野暮なことを聞く奴もいる。
そんな奴らを先生が小突くとまた挙手した生徒を探し始める。
ホント、暇な奴らだ。


「んー…もういない? では、なさそうなのでこれでLHRを終わりにしたいと思います。じゃあ委員長お願いします――」


修学旅行…ね。
楽しみにしてはずなのに…。

やっぱり俺、最近たるんでる。
いや、近頃だけの話しじゃない。兄貴があんなこと言ってからだ。
だって、どうせ俺が無理だと断ったって諦めない、とかなんとか言ってはぐらかされるし。
とにかく、最近兄貴を妙に意識してしまうのは事実だ。

なんとかしないと。
ここらで一気に軌道修正をしないと、マジでヤバイ方向に行ってしまう気がする。

(……‥。てか、ヤ、ヤバイって何がヤバイんだよ!)

「〜〜…っ」

俺…やっぱおかしいっ。
自分で自分の思考がさっぱり把握できてねえ。てか、ちっとも追いついてねえし。
頭をわしゃわしゃさせながら抱えると、机に突っ伏した。
ヤバイヤバイヤバイ……。
何かはわからないが、ヤバイ。
だが、この修学旅行という機会が与えてくれた時間。
この大事な機会を逃すわけにはいかないのだ。

「じゃあな〜翔太」

「……おうっ」

焦燥感にかられてる俺は、これが何に対しての感情だかさっぱりわからずにいた。
だけど、この不明な感情を修学旅行ですべて白紙にする。


そして、彼女を作らなきゃ。

(……‥って、彼女?)

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あきゅろす。
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