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ブラザーに愛をこめて
04

「よ!おはよ、今日も早いな」

「長谷川‥」

そこに立っていたのは兄貴の友達の長谷川さんだった。

「あ、長谷川さん、お早うございます!」

「翔太クンおはよう…って、隣にいるのは翔太クンのお友達?」

「はい!柳田 龍です!翔太とは中学の時からの友達です」

龍の“中学の時”と言う台詞に怜治が眉をピクリとしたのは翔太だけは気付いていない事だ。

「そっかぁ‥じゃあ龍クンは、翔太クンと仲良しなんだ?」

「……は、はぁ」

うん。と同意しにくいのは目の前にいる怜治の視線が鋭くなっているからだ。

「………」

「あ、龍!そろそろ行こうぜ、遅れちゃう!…あ、それじゃあ長谷川さん、また!……あぁ、ついでにそこの空気のお前もまたなっ!」

──“空気”とは兄貴の事。

「おい翔太、てめぇ!」

兄貴に煩く言われる前に、翔太は龍を引っ張って走って行ってしまった。あっという間に、見えるのが2人の背中のみとなってしまった。

「…くそぉ。あいつホンットに憎ったらしい奴だよ!“空気”ってなんだよ!」

「でも、そんな翔太クンを好きなったのはお前だろ?…怜治クン良かったねぇ?翔太クンに構ってもらえて?」

「………」

黙ったまま、怜治は嬉しいそうに照れていた。
今朝の一悶着も怜治が翔太に構ってもらいたくてわざとやった事。
だが結果的には、また翔太の機嫌を損ねることにはなってしまったけれど…

「園田の、その一途さを女の子達に見せてあげたいよ。お前の好感度上がるよ?」

「はぁ?女の好感度あげても仕方ないだろ?」

それは、翔太の好感度を上げなきゃ意味がないと言ってるんでしょうか?
…ったく園田の奴、俺の前では、だんだん翔太クンに関して開き直ってきたな。

ストレートになったと言うか、何というか…

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あきゅろす。
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