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ブラザーに愛をこめて
01


「あれ!?…どこだ?ねぇよ!」


今日から衣替え!!
……なんだけど、夏服がさっきから見当たらない。

「母さーーーん!!!俺の夏服どこにあるの!?」

「え?なんで昨日のうちに用意しとかないのよ?」

階段を思いっきり駆け降りて母さんに飛びついた。
て言うか俺、今日の朝、龍の家から帰ってきたんだからそんな時間はなかったんだもん。


「あ、そういえば、昨日怜ちゃんが洗濯物いじってたから怜ちゃんに聞いたら?」


────ぎく。

…あ、あ、…兄貴が??
さ、最悪だ。あいつが普通に聞いて、普通に返事が返ってきた試しがないんだ。




「翔太クーン?慌ててるみたいだね?どうしたの?」

「………っ!」

すると、暑いんだかタンクトップに髪を上に縛っていた兄貴が半笑いしながらこちらにやって来た。
しかも、片手には俺が探していたものを持っていた。

「…そ、それ!…兄貴!おれ、夏服探してたんだよ」

「…あぁ。これか?」

どうやら家事が得意な兄貴が俺のYシャツにアイロンをかけてくれたみたいだ。
なので、なるべく機嫌を損なわないように健気に接してみた。

「そうそう。それ、です」

「……へぇ」

俺が素直に返事をすると兄貴が不敵に笑ってきた。
…なにその目は。なんでそこで笑うんだよ…?

「そっかぁ。翔太は俺がかけてあげたコレが必要なんだ?」

「あ、あぁ!そうなんだ。だからその…夏服を貰えると嬉しいなぁと!」

俺は口元を引きつらせ、精一杯笑って見せた。
すると兄貴が俺ににっこりと微笑み返しながら言った。

「じゃあ、翔太。そういう時はどうするんだっけ?」

「…………え?」

……?????
俺は兄貴の言ってる事が、わけが分からず頭の中はハテナマークだらけだった。

「翔太は俺に『僕のYシャツを洗っていただき、ありがとうございます。お兄様の持っている僕のYシャツをください』って言わないと、だろ?」

「……っは!?」

「わざわざ去年洗ってやった上に、昨日はアイロンかけてやったんだから当然だろ?」

はああああ!?!?!?!?

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あきゅろす。
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