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ブラザーに愛をこめて
15



「はぁはぁ…はぁ、んっ、」


浅ましい欲望が放たれた。


ゾクゾクした。
翔太の体に触れただけで。
やばっ。俺ってこんなにアブノーマルだったっけ?
俺の体に触らせた。もっと翔太を煽ってやりたくて欲情に満ちた目つきで誘った。無論、羞恥に顔を真っ赤に染める翔太の目は泳いでいた。

「っはぁん、翔…太、」

さっきの事を思い出した俺はガマンができず、翔太を想像してもう一度ハーフパンツの中にゆっくり手を入れた。
腰を強く揺すりながら自分のモノを強く握り擦った。ベッドが軋むたびに俺の興奮は増した。
変態かよ、俺は。
でも、もう罪悪感は消去することにした。快感が欲しいから。

手に入れたくて手に入れたくて堪らない、俺だけの翔太。
誰にもあげないよ。
だって、生まれたときからアイツの傍にいたのは、俺だけだったんだもん。






「カレー、おいしいわね〜」

「そうだな。なっ、翔太?」

「あっ…う、うん」


清々しい顔で言うなっ。

母さんが帰ってくるまで続いた兄貴のセクハラ行為。
兄弟間でこう言ってるのもキモイけど、本当なんだから仕方ない。

無理矢理自分の体を触らせた後、背を向けていた俺に抱き付いてきた兄貴。硬直しかけた俺は、さらに青ざめた。
兄貴は俺の腰に、勃起した自分のモノを摺り寄せたからだ。

『…っ、うああ、』

『色気のない声だなあ。もっとエロい声出せよ。――これがお前を愛してる証拠。わかった?』

『…‥うっ、』

『ほら、こんなに立ってんの。お前も感じるだろ?』

『か、感じないっ!』


あれは屈辱的だった。
仮にも、俺だって17歳の健康な男子なのに兄貴に組み敷かれた上、セクハラまでされる始末。そんな兄貴に前みたいな抵抗ができず、なすがまま――。
俺、完璧に流されてる…。
つーか俺、全然まだ頭の整理が出来てないや。
兄貴が帰ってきてからも、そんな暇なかったからなあ。

「……翔ちゃん?」

「…っ、うぇ?」

「どうしたのよ、顰めっ面なんかして…」

「……い、いや、あ、暑いなぁと思いまして‥」

「そう?」

「……‥はい」

冷房が付いてるのに暑いはずがない。きっと母さんはそう思っているんだろうよ。
ヘンだと思ってくれても良いさ。
兄貴の“ヘン”な変態行為に比べれば、俺の“ヘン”なんて大したことないんだからさ。
まぁ、それも虚しい叫びだ。

俺やっぱり、少し腕力鍛えた方がいいかもなあ…。
兄貴に押し倒されそうだし。

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