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ブラザーに愛をこめて
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今日も爽やかな朝の始まりだ。
うん、こんな日はきっと良いことがありそうだなぁ!

「お。翔太、おはよう!今日も早いんだな?」

「…‥っ」


良いことが…‥──


「…どうしたんだ?翔太。俺、なんかおかしい事言ったか?」

「……」

いーやっ、おかしい事を言ったかというよりも、全体的に兄貴そのものがおかしいって!

だって…

あの…あの兄貴が‥!


「ボーっとしちゃってヘンな奴だなぁー?翔太は」

「…っ、」

にっこり笑って、俺に朝の挨拶をしてきたんだから!!
い、言っとくけど、俺は最近早く帰ってきてるぞ。兄貴が機嫌悪くなるような事は‥まぁ、そこそこ言ってるけど今日はまだ何もしてないぞ!?

「翔太、早く朝飯食っちゃえ」

「…あ、兄貴?」

「なんだ?」

「怒ってるの‥か?」

「は?」

だってだって!何も理由もなく兄貴が俺ににっこりと甘い笑みなんて浮かべるわけない!
普通の兄弟ならこう思うことはないけど、俺達兄弟は別だ!
何たって、俺達は3度の飯よりケンカの方が多いくらいだし。

「……」

「お前、何そんなにしかめっ面してんだ?そんなにムスッとしてると眉間にシワが増えるぞ」

俺の眉間を兄貴の人差し指がグリグリと突っついた。
だけど兄貴は皮肉に笑うでもなく、それはとても柔らかく甘い笑みをしていた。

「…うががぁ…兄貴ぃ」

「なんだ?」

「…痛ぇよ」

またしてもにっこり笑う兄貴。
こ、これはこれで少し怖い…。
しかも‥なんか俺を観察するように見てくるし。これだったらまだ、言いたいことをはっきりと言ってくれた方が何倍もマシだ!!

「…‥」

「…‥何、人の顔ジロジロ見てんだよ?兄貴」

「っ、別になんでもない」

しかし、いつまでも見つめてくる兄貴を怪訝な顔をしながら、今度は俺が突っ込むと兄貴は視線を彷徨わせ俯いてしまった。
俺が恐る恐る声をかけると兄貴は「早く飯を食え」となぜだか急に怒っていた。

そうそう、これが兄貴なんだ。
怒鳴って俺と張り合うのが基本のコイツ。さっきまでの大人ぶったのは兄貴なんかじゃないんだ。

(あぁー怖かったぁー‥)

そして、落ち着きを取り戻した兄貴が一拍置いて言った。

「きょ、今日も‥講義早いから待ってるからな」

「…はぁっ!?別に待たなくてもいいよっ!」

「うるせっ!いいか、先に帰ったりしたら殺すからな」

「っ!」

(殺すって…そりゃ死語だろ)

にやけて笑う兄貴も気持ち悪いけど、いつも通りの兄貴もそれはそれでやっぱりムカつく。


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あきゅろす。
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