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不器用な家族

眉を寄せて困ったように彼女の髪を撫で、そのまま唇を寄せる。
照れたように笑う星は、大丈夫だよ、カミュに抱きついた。

「カノン兄さんは気がついてるから。」
「…それは大丈夫なのか?」
「んー、明日は宝瓶宮に泊めて。」
「それは嫌だな、…明日から、宝瓶宮に住むと良い。」

柔らかく目を細めて、そっと抱きしめ返す。
穏やかに笑い合う二人は、話をしたり、ただ手を繋いでいたり、静かに時間を過ごした。
その日、明日を不安に思いながらも、時間が許す限り寄り添っていた二人だった。


翌日。
サガとカノンがリビングのテーブルの片側に座っていた。
その向かいには、星とカミュ。
ちなみに、カノンの前に星が座っているので、カミュとサガが向い合う形になっている。

「それで、話とはなんだ?」

穏やかに微笑みながら聞くサガに、星とカノンはいやな予感を覚えた。
まさか、この状況に陥ってもどういう理由で此処に来たのか分かってないのではないか、と。
カミュもサガと似たようなところがあるので、二人の不安は大きくなるばかりだ。
数回瞬いて、カミュは真剣な目をして口を開いた。

「サガ…、貴方の娘、星を私にくれないか?」
「星はものではあるまい、何を言っている。」

星とカノンはため息を吐く。
だが、カミュとサガはその二人に何かを問うことはなく、話を続けた。

「そういう意味ではない。」
「では、どういう意味だ?」
「彼女を守る権利を、貰い受けたい。」
「星の父親は私だ。」

だんだんと白熱していく割に、意志の疎通が出来ていない二人にカノンが机を叩く。
バン、と大きな音を立てた彼に視線が集まった。

「面倒くせぇよお前ら。」
「面倒くさいとはどういうことだカノン!」


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あきゅろす。
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