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「どーしたの藤くん?」
「え?…いや、どーもしねぇよ?」
皿拭きも終わったから、メンバーのいるソファへと移動しまったりしていればトイレから戻ってきたチャマが顔をのぞきこんできた。
「そう?なんか考えてる感じだったよ?」
知的な感じで素敵だったけど、とヘラッと笑うチャマにつられて笑みになる。
コイツのこーゆう部分にはなんか救われるなあ。
「…あれ?名前をどうぞは?部屋?」
「ああ、なんかちょっとだけ出てくるって」
キョロッとして首を傾げたチャマにそう伝えれば、ふーんと不思議そうに声をもらし俺の横に腰をおろした。
「…ねえ、藤くん」
「ん?」
「名前をどうぞの事…どう思う?」
「っ!?ゲホッ、っどう、って?」
「さっき聞いたでしょ、見合い話。どう思う?」
いきなりの質問におもわず飲んでいた茶を吹きそうになった。
あ、ああ、見合い話の事ね。
「まあ、断れなかったからっつってたし…アイツの性格上おしに弱いからな。仕方なく、なんだろ?」
「えー、でもね、相手が名前をどうぞを指名してきたんだよ?」
もう相手はその気なわけじゃない?と話すチャマの言葉におもわず眉間にシワがよる。
へえ、そりゃ初耳だわ。
さっきはそんな事一言もいわなかったぞアイツ。
「仕方なくとは言ってたけど〜、今までだって何回かそうゆう話もらってたのに頑張って断ってたんだよ?なんで今更OKするのかなあ」
「…何回かあったんだ?」
「うん、…あ、やべ」
どうやら口止めされていたらしく、しまったといった顔で口をおさえるチャマ。
いやお前さっきからバラしすぎだろ。
「名前をどうぞには内緒ね」
シーッと指をたててウィンクしてくるチャマに、わかったと頷けば、玄関の方で音がした。
「あ、帰ってきた」
おかえりーっとチャマが声をだすと同じように、ただいまーっと名前をどうぞの声が返ってくる。
『ヨシ!ヨシー!!』
「なに!?なにー?」
『はい、チーズ!!』
パタパタと向かってきた名前をどうぞは部屋に入るなりチャマにカメラを向け笑う。
チャマもチャマで、楽しそうに笑っている。
仲いいなぁコイツら…昔から仲よかったけど。
「どーしたのこれ!」
『前から欲しくてね、やっと買ったのが今日届いてたらしくて…今持ってきてもらったとこなの!いいでしょー』
新しいカメラにキャイキャイとはしゃぐ二人。
カメラマンの仕事をしている名前をどうぞの、newカメラらしい。
そうか、さっきの電話はその電話か。…そっかそっか。
『はーいヒロ秀ちゃーん』
「いえーい」
気になってたものが解消されたせいか、嬉しそうな名前をどうぞにおもわず笑ってしまった。
普段はチャマの方がテンション高いけど、やっぱ双子なだけあるわ。
なんつーか、はしゃぎ方が似てる。
『お、基くんスマイルゲットー』
「ちょ、やめろいきなり」
『いいねー次、はにかんでみて?』
ニコニコととびきりの笑顔でカメラを構えられてはなんだか本当に照れてしまう。
いやいや勘弁してほしい、笑顔が眩しいったらありゃしない。
「ちょっと〜うちのボーカルいじめないでくんなーい?」
『お、これはこれはベースのチャマさんじゃないですか!ぜひ一緒に』
「あ、そう?じゃあ男前に頼むわ」
俺の肩に手をまわし自称格好いいポーズを披露するチャマと、いいねーと楽しそうにそれを撮る名前をどうぞ。
されるがままな俺だったが、気付いたらそれに混じってノリノリだった。
直井家パワー
「名前をどうぞも撮ってあげるよ!」
『えー?私ー?』
「はい、藤くんも入って!」
「おし、ここ座れ名前をどうぞ」
『やだ基くんセクハラー』
「なんだよじゃあ横にこい」
『そうするー』
「(さすがにノリでも足の間には座らねーか。くそー)」
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