『も、とくん……?』 「早く、…よ…た」 『え?』 「早く言えばよかったな」 抱き締めている小さな存在が愛しい。 俺の言葉の意味がわからず腕の中で困惑しているのがわかる。 「期待を裏切ってごめんな」 『…』 「泣かせてごめんな」 『それは…』 「自分の気持ちに気づくの遅くてごめんな」 『……?』 謝りたい事がいっぱいある。 伝えたい事がいっぱいある。 でも、なにより伝えたいのは… 「俺も、名前をどうぞが好きだったよ。ずっと…」 それ以外考えられない。 『……ぇぇええ!?』 「…ムード台無し」 『ご、ごめ……だって…』 抱き締められたまま、驚く名前をどうぞ。 そーだよな、なにから説明すりゃいいかな。 『も、基くん……』 「んー?」 『こ、ここね、公園…なんだけど』 「んー、そうだねー」 『…』 とりあえずこの抱き締めている感覚に浸りたい。 昔の事とか…そーゆうのは、あとでちゃんと話すから。もう少しこのままでいさせてくれ。 [次へ#] |