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きっと、俺はあの時から君が好きだったんだと思う。





ーーーーー


「でさーっ、その時にアイツが言った言葉がさー、」

「ヨシーっ」

「え?おおーどしたー?」



中学に入ってようやく部活も決まった頃。


ニコニコと楽しそうに昨日あった事を俺に話してくれていたチャマが、名前を呼ばれ嬉しそうに教室のドアへと向かう。

正確には、教室の入口に立つ女の子のとこへ、だ。



あ、…可愛い。



正直な感想をいだきつつ、何か困ったような顔をしてチャマに必死に話す姿を何気なく見ていたら、ふと視線がぶつかる。


「っ…」

油断していた俺は少しばかり心臓がはねた。


それとほぼ同時か少し遅れたタイミングで、こちらに戻ってきたチャマが俺の目の前で両手を合わせてくる。


「藤くん、一生のお願い!国語の教科書貸してくれない!?」

「…っえ?あ、あぁいいけど…」

「やった!!ありがとう!!俺今日忘れちゃってさ」

「…ちょ、待って待って。チャマに貸しちゃうと俺授業困んだけど」


いいよと言っときながら、おかしな点に気づき喜ぶチャマを制止する。

え?俺間違ってないよな?

同じクラスなんだから、貸しちゃうと俺が困るよな?



「ああ、違う違う!使うのは俺じゃなくて…アイツだから」


そういってチャマはこいこいとドアの所にいる女の子を手招きして呼んだ。



「よかったな!藤くんが貸してくれるって」

『え?本当?ありがとう助かる!』


そういってニッコリ笑った彼女に、さっきよりも大きく心臓がはねた。



ーーーーー


そう、多分この時から。

君は当たり前のように居座ってたんだ、心の奥のなんだかよくわからない場所に。




「あれ、懐かしいなコレ」


中学卒業前に、皆で撮った写真。


どれをみても、君は楽しそうに笑っていた。





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