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サクラ路-みち-



世界の誰もが憧れた新婚生活

さて、貴女はどう過ごす?











「カオル、起きて」


顔立ちの良すぎる寝顔を壊すのは毎回気がひけるけど……



仕事に遅れちゃうのはもっと気がひけるっ!!



「ん…ルナ…」

「あ、起きた?」


ほっと安心したのもつかの間


「……スー」



寝言ですか


只でさえ低い声なのに、更にもっと低い声で名前を呼ぶもんだから、不覚にもドキッとしてしまう


未成年で学生だったときは毎日のようにお互いの名前を呼び合っていた

けれどそれはソリア学園にいた間よりもサヴァイヴにいた間の方が長く、そのときは仲間と…今では親友の、皆と過ごしていたから


若い頃と今とでは全ての捉え方が違う


前は名前を呼んでもらえるのが何より嬉しくて…


自分は特別なんだと思えていた
思わずにはいられなかった


私はカオルが好きなんだとやっと自覚が持てたから



ところが結婚した途端、私は名前を呼ばれるのがいきなりと言って良いほど恥ずかしくなってしまったんだ


前はあんなに嬉しかったことが


今ではこんなに…


前と今と違うのは何だろう


‘結婚’したこと?


それは誰から見ても解る


‘夫婦’になったこと?


そんなの明らかだ


前と似ていても似つかないもの




──私の‘気持ち’?



「…百面相」



ポツリと聞こえた声に私は硬直した


「きゃああ!!!?」


いっ、いつの間に起き…っ



目の前でムクリと起き上がったカオル

小さい寝癖も可愛いのがスゴい


「お、おはよ、カオル」

「ああ、おはよう…。何を考えてたんだ?」

「へ?」

「ずーーーーーー(以下略)っと俺が起きているのに気付かなかったろ」

「…ちなみにいつから?」

「最初っからって言い方も変だな」

「?」


私を見てニヤリ

そんな行動にもドキンと心臓が脈打つ

「……実は起きていた…って、言ったら?」


………………(間)


「にっ…………忍法狸寝入りッ!!!!

「誰が忍者だ。つーかそれ忍法でも何でもないし」

「家が忍者の家系って言っても皆信じると思うけど…」


これは本気でね


「…で、百面相のルナは何を考えてたのかな」

「…っ」


ドキッ…


ああまただ



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あきゅろす。
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