青春
ああ、どうすればいいんだろう。
今、僕はとても大事な事で悩んでいる。
誰にも言えなくて…
1人で悩んでいる。
別に友達がいないわけじゃ…
…いないわけじゃないんだから。
まあ、それは置いといて。
「…あ」
ふと、僕が顔をあげると、目線の先には─
僕を悩ませている人物、ルルーシュ・ランペルージがいた。
「お、スザク。何してるんだ?」
「る、るるるるる、ルルーシュこそっ、何してるの?」
ポカンとしていた時にいきなり声をかけるもんだから、思わずすっとんきょうな声をあげてしまった。
もうっ、ルルーシュったら!
…じゃなくて。
これはチャンスじゃないか?
僕は自分にツッコミをいれながら、"これはチャンスだ"…という事に気付いた。
僕って天才?
…
「どうしたんだ?複雑な顔して」
「あ、あぁ…何でもないよっ!…それより、ルルーシュ今、暇?」
あまりにも、ルルーシュの顔が近すぎて、僕は頬を少し赤らめながら顔をそらし、そう言った。
─僕は、今日人生はじめての賭けをする…
かもしれない。
「あぁ?別に暇だが…」
不思議そうに答えるルルーシュ。
「良かった!…ちょっと付き合ってくんない?」
「別にいいが…」
やった!
僕は思わず、叫んだ。
ルルーシュには聞こえてないみたいだけど。
あー、ドキドキする。
そもそも、僕が何に悩んでいるのかと言うと─
それは "恋" の事で。
みんなもう分かると思うけど、僕はルルーシュが好き。
だから、今日はそれを伝えるんだ!
男が男を好き
なんておかしな話で。
─だからみんなに言えなかったんだ!
いろいろ考えながら、ルルーシュと一緒に歩く。
ちなみに今、僕逹は学校にいる。
すでに放課後なので、生徒はもういない。
僕とルルーシュだけ。
何、このシチュエーション!
…1人で興奮する僕。
困ってるルルーシュ。
「…ごめん」
「いや…どうしたんだ?スザク。今日おかしくないか?」
ルルーシュは気づいている。
そりゃ、いきなり焦ったり、複雑な顔したり、呼び出したりしたら誰だって気づくのは分かるけど。
もう、これならいっその事─
…ここで。
「ルルーシュ!僕、病気かもしれない。」
「…」
あああ、言っちゃったよ。
…でもあれ?
何かおかしくない?
ルルーシュ引いてるし。
「何の病気だよ」
絶対呆れてるよね、ルルーシュ。
でも、聞いてくれるルルーシュはやっぱり優しい。
「恋の病ってやつ」
「…」
僕は答えた。
それと同時に「あ、やばい!」と思った。
だってルルーシュ…
絶対怒ってる(泣)
「ルルーシュ?」
「お前、本当に病気なんじゃないのか。頭イカれてるぞ?いつも以上に」
ほら!
こんな風に酷い事をあっさり言うって事は
相当やばい?
「あ、ははは…そうかもしれない…ね。きっ、今日は家でゆっくりするよ!付き合わせてごめんね、ルルーシュ」
─人間、諦めが肝心。
あーあ。
こんな簡単に僕の初恋が終わるなんてね。
「青春の馬鹿ヤロー!」
「俺はお前が馬鹿だと思う」
「…」
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