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珍しく軍の仕事が早めに終わり、ナイトオブラウンズであるスザク、ジノ、アーニャの3人はラウンズ専用の部屋でそれぞれ休息をとっていた。

時計の針が3時をまわった頃、突然ジノが唸りだす。


「うー……」

まるで、構ってほしいと言わんばかりに唸り続ける。
最初は華麗にスルーしていたスザクとアーニャだったが、あまりにジノが鬱陶しかったのでスザクが声をかけた。


「…何?ジノ」

素っ気ない雰囲気丸出しだったが、ジノは構ってもらえた事が嬉しくてスザクの態度等全く気にしていなかった。
つくづく単純な奴だ…、そうスザクは思った。

「スザクぅ!3人で何かしよっ」
「は?」


突然のジノの案に、一瞬間抜けな声を発してしまったスザクだったが、すぐに気をとりなおし却下した。

「嫌だよ。疲れるもん…ね、アーニャ」
「えー!暇だよっ…なぁアーニャ」

スザクがアーニャに問いたのを真似してジノもアーニャに問う。
当のアーニャは
「別に。どっちでもいい」
と、先程のスザクのように素っ気ない返事をした。
これがアーニャの素なのだが。

「ほら!どっちでもいいって。お願い、スザク」
「嫌だって、何でせっかくの休みに君の相手をしなきゃいけないんだい?」
「えー、スザク冷たぁい」


スザクはジノが嫌いな訳ではなく…、寧ろ"好き"という感情を抱いているくらいだったが、やはり疲れがたまっていて休みを優先させたい、という気持ちがあったのと、何よりアーニャの目の前でジノと仲良くする…と言うのも恥ずかしい気持ちがあったから断ってしまった。

暫く、部屋に沈黙が流れた。
その沈黙を破ったのはアーニャ。

「じゃ、ジノ。私とお菓子作りしよ」
「「え?」」


その意外な言葉に、二人の頭の上には?マークが浮かび上がっていた。
そして何テンポか遅れてジノの顔がぱあっと明るくなる。

「いいのか!アーニャ」

「うん、決まり。じゃ、キッチン行こう」


ちなみにスザク達が今いるラウンズ専用部屋は、設備が良く、キッチンも設置されていた。
それも、広くて綺麗で使い勝手の良いものだった。


ジノははりきってキッチンに向かい、その後ろにアーニャがついていく。

ジノが冷蔵庫を覗いている間に、アーニャとスザクが

「本当にいいのかい?アーニャ」
「うん、犬のお世話くらい私も出来るよ。だからスザクは休んでて」
「そっか、ありがとう」


等という、さりげなく酷い会話をしていたのはジノには内緒だ。




「じゃ、作ろう」
「何作るんだ?」
「これ……いい?」


スザクはアーニャの言葉に甘え、ジノが座っていたソファーで読書をはじめる。
キッチンに立った二人は何を作るか決め始めた。
大体の材料は常に保管してあるので、大抵のものは作れるはずだ。

そこでアーニャが差し出したのは、美味しそうなショートケーキの写真。


(確かスザクもケーキ好きだったよな!)

「いいぞ、それにしよう」


早速作るものが決まり作業にとりかかる。
しかし、そこで一つ問題が。

「ちょ、アーニャ…待っ」
「あ」

アーニャが予想以上に不器用だった。
今もクリームを泡立てるだけなのに、何故かジノの頭にボールごとふってきてしまった。
どうやったらそんなに飛ぶのだろうか…


「アーニャって以外と不器用なんだな…」
「…黙って」


それでも色んな所に時間をかけ、漸く一つのケーキを作りあげた。


「よし!完成」
「記録…ブログにアップしよ」


ケーキを三つの皿に分け、余ったケーキは綺麗に冷蔵庫にしまう。

「スーザクー!出来たぞ」


完成したケーキを自慢気にスザクに見せるジノ。
その姿は、後ろに立っているアーニャよりも幼く見えた。


「…美味しそう」


スザクも期待はしていなかったのだが、思ったよりいい出来なので思わず声をあげてしまった。

「だろ?早く食べようぜ」
「そうだね」


三人が一つのテーブルを囲んだ椅子にゆっくり座る。
そして両手を合わせ、せーので


「いただきますっ」



なにしてあそぶ?

(どうだ?スザク)
(うん、美味しい!)
(……甘い)







⇒あとがき
終わり方がっ!最後まで書けたの何週間ぶり…
しかもどんな駄文\(^0^)/
ほんわかしたの書きたかったんだけど結局何を伝えたいんだか^^^^
絶対、朝食の時とかちゃんと「いただきます」合わせてるよねこの子達。
アーニャはシャーリー並み…いや、それ以上に不器用だといいよ。


あきゅろす。
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