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雨の日[ハルヒ/古(←)キョン]

「あー。」

塾の体験授業とやらを受けた帰り。
外はすっかり暗くなった上に、雨まで降りだしている。
訳の分からん話を聞かされて疲れきった後にコレか。全く。

「さよーならー。」

やる気無さそうな受付のお兄さんに、軽く会釈して建物を出る。
傘なんて持ち歩いていないし、周りに知り合いもいなかったし……まぁこれくらいなら走れば大丈夫だろう。
ため息を1つついて、走りかけたそのとき……

「風邪、ひきますよ?」


目の前に現れた、大きな赤い傘。


「古泉…?何でここに。」
「何でと言われましても……まぁ買い出しに行った帰りなんですが。」

ひょいとビニール袋を見せる古泉。
なんというか……

「……何でそこで笑うんですか。」
「いや、すまん。あまりにミスマッチだった。」

とりあえず謝ると、奴は若干拗ねたような顔をした。
意外な表情に、少し驚く。

「あの、何か?」
「いや……」
「?……まぁ良いです。行きましょう。」
「あ?」
「駅まで送りますよ。」

次の瞬間には、いつもの笑顔。
いや違う。心なしか、いつもより柔らかい…?

「良いのか?」
「僕だってそんな薄情者じゃありませんよ。そのつもりで声掛けたんですから。」


軽くウインクする奴に、何故か目眩を覚えた。


「………サンキュ。」


本当は傘を差し出してくれた時点で感じていた、動揺に気付かないふりをして。
野郎二人には狭すぎる傘の中へ、一歩踏み出した。


雨はまだ、止みそうにない。




【END】



‥‥‥‥‥‥

初ふるきょん、書いちゃった←
模試の帰り道に雨が降ってきて、ここですっと傘出してくれる人がいたら惚れるのになーなんて疲れきった脳で考えた勢いで出来た作品です←

しかし、やっぱ83に似てるな…(ぇ)
私が書くからか?ウインクするかしないかくらいしか違いが感じられない(…)
………精進します;;





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