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Sloping Road 6

「ところで三蔵、どうしてここへ?」
「あ?」

煙草をくわえ、火をつけようとする姿勢のまま停止する三蔵。

「だって宿着いた途端に『全員部屋でとっとと寝やがれ!』って言ったの三蔵じゃないですか。てっきり爆睡中かと……」
「………情緒不安定なヤツの生存確認。」
「ひどっ…!」

非難の声も気にしない様子で、煙草を吸い始める。

「テメェが煩いから悪いんだよ。ったく……」
「はい?何の話ですか??」
「は?」
「いや、僕が煩いって…」
「………っ!何でもねぇよ!!」


急に怒鳴りだし、そっぽを向いてしまう。
理由は不明だが、耳まで真っ赤になっている。
思わずクスっと笑うと、無言で睨みつけてきて。

「三蔵……」

そんな姿さえ、愛しい。

「それ、没収します。」
「ぁあ゛!?」

煙草を奪うと同時に、彼をしっかりと抱きしめる。

「なっ!離せっ…!」
「口寂しいなら、これで充分でしょう?」


もがく彼を押さえ付け、優しく口づける。

今の僕には、こうやって愛を伝えることしか出来ないけど。
そうやって貴方が、他人には見せない表情を見せてくれるように頑張りますから。

命尽きるまで。
ずっと、一緒にいて下さいね?

【END】


→後書き;

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