Dear my...(1) 『三蔵サマ、お前にラブレター預かってきたぜー。』 あるとき、同じ研究室の後輩が渡してきた手紙。 几帳面に並んだ線の細い文字列。丁寧すぎる言葉遣い。 何よりこの御時世、手紙でコンタクトを取ろうという考え方。 相手に少しばかり興味が湧いた。 『送り主?俺のダチっつーか、腐れ縁ってやつ?』 ……コイツにこれだけちゃんとした関係者がいたとはな。 『んだよ。まぁ言いたいことは想像つくけど……そーだな。お前ら意外と気が合うかもな。秀才同士で。』 ますます興味が湧く。 会ってみる、か…? 手紙の最後に添えられた、メアドに目が行く。 そうだ、どうせなら…… 『ん?お前どこからその筆出したんだよ。あー手紙……ってまた俺が届けんのかよ?!』 走り書きで仕上げた手紙を、目の前で騒ぐ後輩に突き出した。 『わぁーったよ。ったくメール使えば速ぇのに、頭イイ奴の考えることってほんと分かんねー!』 この一件が、アイツと出会うきっかけになるなんて。 当時の俺は全く予想していなかった。 ─Dear my...─ Next |