Loneliness Of Vain Egoist 2 夏の終わり頃。 冷たい雨の中、俺はアイツの家に向かっていた。 正確には、アイツが居候している家だが。 仕事をサボる口実としてそこを訪問してから、どれほどの時が経ったのか。 今ではすっかり通い慣れてしまったこの道とも、今日でお別れだ。 これから、俺とアイツとのこの関係を終わらせるつもりだから。 ・・・・・ 「三蔵…!」 俺が家の戸を叩くと、アイツは少し驚いた顔で出てきた。 「どうしたんですか?珍しいですね。」 「別に……」 不意の訪問にも関わらず、すぐに笑顔になる八戒。 「掃除してませんけど」なんて言いながら、中に招き入れてくる。 相変わらずの狭い部屋。 ここにコイツの恋人として来るのも、これが最後になるのだろう。 「にしても、お久しぶりですね。」 「………あぁ。」 どのように、話を切り出せば良いのか。 言葉を探すうちに、アイツは俺に近づいてきた。 「具合、悪いんですか?」 「……あ?」 「貴方にしては、歯切れが悪い気がして。」 苦笑するアイツ。 「………変わらないな。」 「はい?」 俺を気遣うその優しさも。 俺の強がる癖も。 この関係になった頃、そのまま。 . BackNext |