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Sweet Sweet Trap 2

「ただいま戻りました。」
「あぁ。」

旅の途中。
昨日から滞在している宿で、昼食まで自由行動との指示を受けた。
僕は買い物を終えると、必要なものを持って三蔵の部屋へ向かった。

「マルボロ、買ってきましたよ。あと……」
「ん?」

首を傾げる三蔵に、僕は大きめの袋を手渡した。

「これ、どうぞ。」
「何だ?………セーター?」

それは、緑のリボンで飾られた白いセーター。

「手作りか?」
「えぇ。」
「器用な奴……」

まじまじとセーターを観察する三蔵。
きょとんとしているのが、とても可愛い。

「良かったら、着て下さいね。」
「あぁ、貰っとく。」

優しく細められる瞳。
彼が喜んでくれているのを知るには、充分な反応だった。



‥‥‥‥‥





「三蔵何それ!新しい服??」
「まぁな。」
「うわーそれ手作りだろ?愛されてるねぇ……」
「………殺すぞ。」

12時を回った頃。
僕らは昼食をとりに街へ出かけた。

三蔵が珍しく準備に手間取っていると思ったら、それはあのセーターに着替えてくれていたからだった。
少し恥ずかしそうに、僕から視線を外すようにして先に歩いていってしまった彼が愛しくて。
知らぬ間に、頬が緩む。

「……なぁーにニヤニヤしちゃってんのよ。」
「ニヤニヤ、してます?」
「おぅ。幸せでたまりませんって感じ?」

良いねぇ、とからかうように笑う悟浄。
そんなつもりはなかったのにな。

「なぁ八戒!俺にも何か作って!」
「いいですよ。じゃあ何が良いか考えておいて下さい。」
「やったー♪」
「………お前ね;」
「……お前ら、ぐずぐずしてると飯抜きにするぞ。」

騒ぐ僕らを置いて、スタスタと歩いていく三蔵。
その姿がいつもと何か違って見えるのはきっと……今がまだ明るい昼間だから。

暗闇より、太陽の下の方が似合いすぎている貴方。
時々、見つめているのが辛くなります。
何故でしょうね?


「えー?!やだ!飯!!」
「ほら八戒。早く行かねぇと飯食い損ねるぜ?」
「えっ。……あ、はい。」


そんなことを考えながら、僕はみんなを追った。


.

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あきゅろす。
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