「兄さんの剣は隙が多い」

「ははは。そうか。ならその隙をお前が守るってのいうのはどうだ」

アルバートはからからと悪気のない笑顔で弟をみた

「あ、甘えんなよ!」

「俺を守る=ユリアを守る。違うか?」

「ぐ……」

「俺が倒れればユリアは丸腰だ」

「わかったよ、見てろよくそ兄貴!」



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「………負けました。ちくしょー」

木刀を派手に飛ばされたガイは芝生に突っ伏していた

ガイの剣は鋭い。しかしまだ未熟だ。無意識に切っ先に心が反映される。ヴァンには気持ちがない。それ故に剣に迷いが無いのだ


「だからいっただろう。そう簡単には隙を見せん、と」

ヴァンは久しぶりに見たガイの子供っぽい挑戦に、ホドでの剣の稽古を思い出した

ヴァンは残りの法衣を羽織りガイの頭上に歩んだ。手を差し出すとガイがゆっくりと振り向いた。無言のままその手を取った。軽く礼をいうとガイは勢いよく立ち上がった

「さんきゅ」

「目の付け所はいい。だがまだ技の切れが足りない。貴公がそうなれば私の剣は簡単に敗れるだろう」

「世辞はいいって」

ガイはあっさり負けた恥ずかしさと、褒められた照れくささに頭をかいた

「世辞ではない。貴公の剣はアルバート流を敗れる唯一の剣だ。それ故にホドでひっそりと伝承されていたのだ」

「もうわかったって。つか敗る気なんかないよ。ただちょっとお前らの稽古が楽しそうで、俺もつい疑問を実践してみたくなっただけだ。付き合わせて悪かったな」

ガイは服に付いた砂埃を払った。ヴァンが手を伸ばし髪に付いた枯れ草を払うと、子ども扱いするなといいながら頬を染めて睨んだ

「私は久しぶりに貴公と手合わせできて嬉しかったが」

「ヴァンデスデルカ……俺も楽しかったぜ。また頼むよ」

「ああ。待っている。次は手加減はしないがな」

「え。手加減していたのか」

「まあな。我が主に傷を付けたくないのでな」

「マージーかーよ〜」

ガイは再び芝生に突っ伏した

「あまりそうするとペールに芝生が枯れると怒られるぞ」

「あーーー!頼むもう黙ってくれ」




☆☆☆


リクエストありがとうございました!
コンビということで幼馴染の親友を意識しました
コメントをいただいたにも関わらず消化が遅くなり申し訳ありません
カプ無しで初挑戦でしたが、絡み無しは新鮮でとても楽しくかかせていただけました
ありがとうございました!!



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