Snatch成長後編BL(完結)
4
◇◇◇
「テツ……」
目覚めたら足が腹の上に乗っかってる。
「重〜……」
テツの寝相は自由奔放だ。
とにかく退かしたが、互いにすっぽんぽんでそのまんま寝た。
「ふっ……」
ナニが無防備に晒されている。
ゆうべチンコにピアスとか、馬鹿な事を言ってたし……仕返しをするいいチャンスだ。
どうしてやろうか、考えた。
フェラしたら〜多分普通に喜ぶ。
それじゃつまらない。
じゃあ、バイブを当てたら……びっくりはするだろうけど、あんまり面白くはない。
だったらあれだ……いい事を思いついた。
そーっと足を退かしてベッドから降りた。
テツは爆睡している。
足音をしのばせて棚まで行き、マジックを握ってベッドに戻った。
「ぷっ……くくっ」
マジックのキャップを取り、そっとチンコを握って……先っぽに顔を描いた。
「う"……、うーん……」
テツはちょっと動いたが、チンコは朝勃ちしてるので描きやすい。
ニコニコスマイルマークを描いてやった。
マジックにキャップをして、ちょっと離れて見たら……チンコが満面の笑みだ。
超笑えるが、必死に笑いを堪えた。
けど、テツが動くとチンコが笑顔で左右に揺れる。
しかも反り返ってるから……余計に可笑しい。
「ぷくくっ、う……やべぇ」
「うーん……、なんだ……」
テツが目を覚ました。
知らぬが仏。
チンコは俺が覚醒させた。
「なんだよ〜、なに笑ってる、はあー、ねむ」
寝ぼけ眼で欠伸をしたが、つい顔がニヤけてしまう。
「な、なんでもねぇ」
「はあーあ、裸で寝ちまった、ん? 」
テツは何気なく股間を見て違和感を覚えたらしい。
ハッとして起き上がった。
「な、なんだこりゃー! ちんぽに顔がついてるぞ」
ナニを見てびっくりして叫んだ。
「ぶひゃひゃひゃ〜っ! 」
気づいたからには、爆笑するしかない。
「おめぇー、やりやがったな……」
「違う、チンコが勝手に覚醒したんだ、なはははっ! 」
マジックは油性だから洗っても無駄だ。
「コノヤロー、こいつ、来い! 」
「わあっ! 」
だが、とっ捕まった。
「マジック貸せ! 」
「あ、まさか……、ちょっと〜」
マジックを奪われた。
「にゃろ〜、おとなしくしろ! 」
テツは足にのしかかり、マジックを握ってチンコを掴んだ。
「あ"〜っ! 」
「おい、勃たせろ、これじゃ描けねぇ」
チンコを振り回しているが、そんな無茶苦茶な……。
「無理だって、諦めて覚醒チンコを認めてやれば?」
「やだね、大体こりゃ……油性ペンじゃねぇか、ったく、ひでぇ真似しやがる、お揃いにしなきゃ気がすまねー」
「ああ〜、ちょっ、あっ……」
コスられたら嫌でも勃ちあがる。
「よっしゃー、へへっ」
テツはマジックで亀頭に顔を描き始めた。
く、くすぐったい。
「うほ〜、や、やめてくれ〜」
「くっくっ……、よーし、できた」
腰をモゾモゾさせていたら完成したらしい。
「も〜、なにしてくれんだよ」
退いたので起き上がって見てみた。
「ちょっ……」
チンコに口裂け女みたいな顔がついている。
しかもでっかく描いてあって、亀頭の下にまではみだしてる。
「ホラーじゃん……」
はっきり言って……ヘタクソだ。
テツには絵心は無いらしい。
「なははっ! これでおあいこだ」
得意げに笑って言ったが、たかがマジックだし、そのうち消える。
「ペアだな」
これもペアルックの一種だ。
「やなペアだな〜、いい歳してなにやらかしてんだよ」
テツはぶつくさ言ったが、それを言うなら俺の方がよっぽど言いたい。
「よく言うよ、こないだもアダルトショップに行った癖に」
テツは定期的にギャル男のいるアダルトショップに通ってる。
「バカヤロー、ありゃちゃんとした趣味だ、あのな、いいオナホがあったぜ、お前使ってみろ」
「買ったのかよ……」
「当然だ、新作が出たら目敏くチェックするのが通だからな」
「どんだけ好きなんだよ」
呆れてものも言えないが、とりあえず、朝飯を作らなきゃいけない。
服を着て始める事にした。
キッチンへ行ったら、テツは素っ裸でシャワーを浴びに行った。
いい感じについた筋肉が、ワイルドさを感じさせる。
味噌汁に焼き魚、漬物に卵焼き。
そんな物をざっと作っていると、ピンポンが鳴った。
もう9時過ぎてるし、誰か来てもおかしくない時間だ。
「はい……」
手を拭いて玄関に行き、解錠してドアを開ける。
「おう、友也」
水野だった。
「水野さん、何かあったとか? 」
連絡も無しにくるのは珍しい。
「ああ、たいした事じゃねーんだが、あんな、もう忘れたかもしれねーが、昔、堀江っていただろ? ほら、お前と同い年の木下を裏切った奴だ」
水野は不意に堀江の事を出した。
「あ、はい……」
アジアに逃亡して雲隠れしていたようだが、まさか日本へ戻ってきたとか……。
「田宮はつい先日消された、フィリピンで現地のマフィアに殺られたらしい、どうせあいつの事だ、せこい真似して怒らせたんだろう、自業自得だ」
「そうなんですか……」
田宮は死んだらしいが、確かに水野の言う通り自業自得だ。
「で、堀江は巻き添えを食わずに済んだらしい、運のつえー奴だ、それでな、うちが裏でやってる店に面接に来たんだ、最初は分からなかったが、たまたま俺が店に寄った時に、店番をしてる奴が相談してきた、改造済みのニューハーフで働きたいって奴がいるんだが、年は30代、見た目は悪くないがどうしたらいいか……ってな」
「じゃあ、それが堀江だったとか? 」
「ああ、名前もそのまんま書いてるしよ、写真みりゃ昔とさほど変わってねー、だからすぐにわかった」
やっぱり戻ってきていた。
だけど、よく浮島の店に顔を出せるものだ。
「おう、水野じゃねーか、なんだ朝っぱらから」
話し込んでいると、テツがやってきた。
ちゃんと服を着ている。
「おお矢吹、あのな、堀江って覚えてるか? 」
「ああ、しっかり覚えてる、あいつが余計な真似をしたせいで、こっちは痛い目にあったからな、堀江がどうした、ひょっとして日本に戻ってきたのか? 」
「ああ、そうだ、で、うちが裏でやってる店に働きてぇってやってきた」
「はあ? おい、マジかよ、よく堂々とやってこれるな、あいつのせいで木下は撃たれたんじゃねーか」
「だろ? なに考えてるかしらねーが、断われっつった、もうかかわり合いになるのはゴメンだ」
「おお、それがいい、あいつはな、なにかと不幸を招く、ガチで疫病神だ」
「ああ、ま、そりゃよくわかってるんだが……、ただな、俺が心配になったのは友也、おめぇだ、お前はちょっと気の毒な話をされたらすぐに同情するからな、うちの店にきたぐれぇだ、お前にも連絡してくる可能性がある」
2人は堀江について色々言っていたが、水野は俺を見て言った。
「わかってます、もう相手にしません」
竜治を裏切っただけじゃなく、嘘八百を並べ立てたのは許し難い。
今更何か言ってきても完全無視だ。
「そうか、ならいいんだが、早く言っといた方がいいと思ってな、これを持ってきたついでに来たんだ」
水野はスっと紙袋を差し出した。
「っと……、なんですか? 」
「ああ、矢吹に酒だ、俺、最近あんまり飲まねーからよ、と、次のコスプレを置かしといてくれ、いちいち持ってくんの、面倒だからよ」
何気に気を使うところがいかにも水野らしいが、ついでにコスプレを持ってきたようだ。
「おお、わりぃな、で、次はなんだ? 」
早速テツが食いついた。
「あのな、カオリがターザンがいいっつった、だからそれだ」
水野は大抵カオリに聞いて次のコスプレを決めている。
「ターザンか、なんだよ、ケツワレでも穿くかと思ったら、ただの原始人じゃねーか」
テツは一体全体……水野になにを求めてるのか、ここんとこ要求が過激になってる。
「まぁいいだろ? つか……ケツワレはさすがにな、そりゃ見せちゃならねぇもんが見えちまうわ、なははっ」
「ふっ……、だからいいんじゃねーか、お前がよ、羞恥に塗れて顔を真っ赤にするとこを見てみてぇ」
どうやら水野を辱めたいようだが……一体なんの為に……まさか水野で興奮してるとか? だとしたら、変態道もいよいよ大詰めって感じだ。
「あのな〜、なんで俺なんだよ、友也でやれ」
「友也はな、もう慣れちまった」
そりゃずっと一緒にいたら、マンネリズムは避けられない。
「なにやってんだよ、まったく……、どうせ変態グッズ使ってんだろ」
水野は呆れているが、おっしゃる通りだったりする。
「おう、がっつり使うぜ、お前もカオリにやってやれ」
テツは変態に関しては臆する事がない。
向かう所敵なしだ。
「いやいや、そんな事したら……ちょっとな」
だが、水野は言葉を濁した。
「水野、お前がカオリにやられてんだろ、白状しろ」
テツはいいところを突いた。
「なわけあるか……、あのよ、そういうこった、これ受け取れ、朝っぱらから邪魔したな、なんかあったらまた来るわ」
真実を知りたかったが、水野は一応否定して紙袋を俺に渡し、さっさと退散してしまった。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!