小話
百瀬×伊行
バッドエンド風、モモ視点
全てがピンク色の小さな部屋。
壁も床も、置いてある小物も。ぬいぐるみ、クッション、机、ソファー、花。
部屋の中央に一人掛けのソファーがあり、そこに異質な黒髪の人間が座っている。声を出さないように口には轡。
下着姿のそれに近付き、腕に触れる。腕には無数の注射痕。
身体を動かせないように毎朝、そういう薬を打っている。
そしてそれは今日もやる。ケースから注射を取り出すと、それが呻き声を出す。呻き声が出るだけで身体は少ししか動かない。昨日の薬が残っているから。
躊躇いもなく腕に針を刺し、身体に薬を流す。
それは涙を流していた。
「今日はどれにすっかな」
クローゼットの服を漁る。
数分悩み、今日それに着せる服を選んだ。
鼻歌を歌いながら、それにピンクの服を着せていく。下着も脱がせて、女性用の薄いピンク色の下着を穿かせる。ひらひらの可愛いスカート、白いTシャツ、もこもこのパーカー、ニーハイ、ブーツ。
最後に轡を外す。
「今日も完璧だな」
ああでも、やっぱり黒い髪が気に喰わない。どうすればいいだろうか。染めてしまおうか。
だったあの瞳も、
「赤にするのもありだな」
ピンクと赤は似ているから。
「あ、そうか」
赤はそれの全身に流れているじゃないか。それを使えばいい。
そうすれば、もっと完璧になるはずだ。
この人形が。
ももあん
病んでてすいません。
モモさんのバッドエンドはどうなるかなと考えた結果、これです。モモさんは伊行を自分の着せ替え人形にするだろうなあ…と。
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まえつぎ
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