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あからさまなキミ



最近、チラチラと視線を感じる。
その視線には熱が篭っていて、そういう目で見られている事は明白だった。

その視線の相手は入学したばっかの一年。オレは三年。


そしてついに、接触した。


「あの!センパイ!」


目をキラキラと輝かせた後輩を、若干引き気味で見る。
何も言わずにそいつを伺っていれば、がしりと両手を掴まれた。


「ひッ…」


驚いて思わずみっともない声を出す。襲われるようなガラじゃないが、襲われるんじゃないかと思ってしまった。


「…おま、なんだよ」

「いきなりで悪いと思うんですけど!顎触らせてください!」

「いや、なに言ってんの。お前頭おかしいの?」

「決しておかしくありません!先輩のそのヒゲが大好きなんです!ヒゲが好きなんです!!」

「二回も言わなくていいわッ!」


オレのヒゲが好きだと?
やっぱこいつおかしいんじゃね?
そりゃあオレ、ヒゲ生やしてっけどさぁ…ヒゲが好きだなんて言われたことねぇよ。むしろこのヒゲのせいで無駄に怖がられてる。
つか、ちょっと待てよ、オレのヒゲが好きなだけであって、オレ自身が好きってわけじゃないのか?


「ヒゲが好きなのか」

「はい!」

「オレじゃなくて、ヒゲが好きなんだよな?」

「先輩の顎とヒゲが好きです!完璧なんです!!」


知るか。
やっぱオレ自身じゃねぇんだな。それなら安心だ。


「写メっていいですか!顎!」


しっかし、この後輩をどうやってオレのヒゲと顎から諦めさせようか。





―――――



ヒゲ好き後輩×ヒゲ先輩
ヒゲ好きが増えればいいなあと思って書いてみた。顎ヒゲ好きだ!
ギャグメインの話になりそう。でもどうせシリアスになるだろう。



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