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一万円の愛情



昼休みの少し混雑する廊下をのろのろ歩いていれば、ドンと知らねー奴とぶつかった。
ぎろりと背の小さいそいつを睨みつける。


「ひっ、すすみませんっ」


聞こえるように舌打ちすれば、そいつは逃げるように去って行く。周りにいた奴らも牽制するように睨みつければ、俺から顔をそらした。

うざ…
つーか眠い、腹減った

のろのろと目的地に向かって、歩き出す。
目的地である風紀室に入る。誰もいない。一応、風紀委員に入っている。というか入れられた。


「…慶樹と穂高いねぇのか」


その事にイラつき、また舌打ちをする。
慶樹というのは風紀委員長で、穂高は副委員長。ありえないと思われるかもしれないが、俺はこの二人と付き合っている。恋人が二人いる。
慶樹と穂高は昔からの幼なじみらしい。そんで成り行きで二人と一緒に付き合う事になった。
大きな喧嘩もないし、問題なく付き合っている。
問題があるとすれば、セックスが長いという事だけだな。二人相手だし。


「…ふあ、」


欠伸をして、部屋の端に置いてある俺専用のソファーベッドに横になる。

腹減ったけど眠い。
穂高、早く飯持ってこい

二人はひとつ上の三年だから、会うとしたら、ここか寮くらいだ。

うとうとしていたら、部屋の扉が開いた。薄目でそちらを見るが、残念ながら、寝たままの体勢じゃ並んで置いてある机のせいで見えない。


「朝輝、いる?」

「んー、」


穂高だ。
返事をすると、こちらに足音が近付いてくる。


「おせぇ」

「ごめんごめん、ちょっと先生に捕まっちゃって。お弁当持って来たよ」


身体を起こし、欠伸をする。
屈んだ穂高にキスをされた。いつもの事なので何も言わない。


「慶樹は?」

「生徒会室に行ってる。たぶんすぐ来るよ」

「あー…あの一年の話か?」

「そう。相変わらずお金振り撒いてるみたいだから」


入学式から約一ヶ月ちょっと。
一年に糞生意気な坊ちゃんがいて生徒会と風紀の間で問題になっている。結構なボンボンのようで、全てを金で解決出来ると思っている馬鹿らしい。
まあ金大事だけどさ…
ようはそれをどう使うかだ。その一年は使い方に問題がある。

バンッと強く扉が開き、慶樹が入って来た。


「あーックソ!!一年くせにふざけやがって!」


慶樹がイライラしている。原因はあの金を振り撒く一年だろう。


「慶樹、飯」


イライラしている慶樹に近付き、そう言えば穂高と同じように慶樹にキスをされた。


「朝輝はあれだな、オレを癒す力を持ってんな」

「飯、」

「はいはい、分かったっつーの」


セットしている髪をわしゃわしゃと撫で回され、慶樹の手を振り払う。





―――――



委員長+副委員長×強面
強面受けがどうしても書きたくなり、何故か攻めが二人になった。
金を振り撒く噂の一年が朝輝に目をつければいいと思う。
それで、三人の関係がぐらぐら



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あきゅろす。
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