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雨粒



雨が降り、血が流れる。
身体中が痛い。

ここまで逃げてきたのに、また捕まるのがオチなのか。
ボロボロの身体を動かす術はない。指一本すら動かない。


「お兄さん、大丈夫ー?」


その声に目線だけを上げると、傘を差した、チャラそうな奴がオレを見下ろしていた。


「…っるせぇ…」


なんだ、コイツ
早くどっか行けよ


「拾ったらタカに怒られるかな」


ボソボソと独り言を言うそいつの声はオレには届いていない。
視界がぼんやりしてきて、雨の音も聞こえなくなる。

…やべ、落ちる


「お兄さん!」


その言葉を最後に聞いて、オレの意識は落ちた。





―――――



逃げて来た不良くんと四人兄弟の話になる予定だった。
不良くんを拾ったのは四人兄弟の三男。
長男と不良くんがいちゃいちゃすればいい。



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