短編 おまけ1ー2 ゆっくりとベッドに下ろされ、そのまま覆いかぶさってくる。スッと首筋を撫でられ、大袈裟に身体が跳ねた。 「…せ、んぱい」 「本当にいいんだな?止めるなら今だぞ」 「やめません」 そういいながら、伊織先輩の首に腕を回す。 顔を近付けて、キスをする。俺からのキスは初めてだ。 俺から仕掛けたキスだったのに、すぐ伊織先輩のペースになる。上唇を甘く噛まれ、開いた隙間から舌が入ってくる。 「…ん…、ふ…ぅ、」 舌が絡み合い、吸われる。 必死にキスに応えていると、スルリと服の裾から伊織先輩の手が侵入してきた。 「はっ…い、おり、せんぱい、」 つっと銀色の糸が俺達の間を繋ぎ、すぐに切れた。伊織先輩は俺の服を胸元まで上げて、指で胸の突起をつまんだ。 「どこ、触ってん、ですかっ」 「ん?気持ち良くないか?」 「…くすぐったい、です」 「そうか」 そう言って先輩は俺の乳首を舐めた。驚いて先輩の頭を掴む。 「…っぁ、せ、んぱい…ッ」 俺の乳首を口で弄りながら、先輩は俺のズボンの中に手を突っ込んだ。 「ッひ、ぃ…」 つっと身体を舐められ、伊織先輩の顔がどんどん下がっていく。 まさか、フェ…ら…―と思った時には遅く、パクリとくわえ込まれた。何をって、俺のを。 「はぁッ…、んんッ…ちょっ、ぁ、い、おり…っ」 ヤバい 他人にされた事なんてないから余計に感じる。それに伊織先輩だから。 自分でも先走りが溢れているのがわかる。しかも、それを伊織先輩が舐めている。恥ずかしくて、死ねる。このままじゃ、イってしまう。それは嫌だ、どうせなら伊織先輩と一緒がいい。 「っあ…ぁ、いおり、せんぱ…待っ、て…くだ、さ…ぅあッ」 ぢゅうっと先端を吸われて、危うく出してしまいそうになった。 「はっ、ぁ…あ、」 「兎喜、一回イっておけ」 「…や、です…伊織先輩と一緒がいい…」 そう呟くと伊織先輩は俺の耳に噛み付き、そのままそこで囁いた。 「そんな事言うと、抑えがきかなくなる」 「いい、です…だから、早く、伊織先輩」 秘部に先輩の指が三本入り、中を出入りする。 「…ぁ、あっ…は、」 「兎喜いいか」 コクコクと頷く。俺の額にキスを落とした先輩は、ゆっくりと俺の中に入ってきた。 「っいぁ…ッは…あ!」 ずぷりと中に入ってきた伊織先輩のものは大きくて、息が詰まる。それに気付いた伊織先輩は俺の背中をゆっくりと撫で下ろす。 「…は、ぁ、あ…、ふっ」 「っ、大丈夫か?さすがにキツイな」 「だっ、て…先輩の、大きい…から」 無意識にそう呟くと中のものが更に大きくなった。 「っひ、ぁ…なっ、ぁ」 「…っ馬鹿が、煽るな」 いつ、誰が煽りましたかっ!俺は煽ったつもりはこれっぽっちもない。 伊織先輩は俺の腰を掴み、動き始めた。それが気持ち良くて、何も考えられなくなった。 「…っぁあ…あ、いお、りっ…好きっ」 大好き。 貴方に何度でも言いたい 「あぁ、わかってる」 触れ合った唇が甘く感じた。 「…こんなに、幸せでいいのか」 情事後伊織先輩の腕の中で呟く。 「何言ってるんだ」 「いや…、幸せ過ぎて、すぐに無くなってしまいそうだから」 「大丈夫、無くなったらまた作り出せばいい。オレと兎喜で」 スルリと耳を撫でられ、伊織先輩と視線を合わせる。 「伊織先輩、」 「あれオレの事、呼び捨てじゃないんだな」 「は?何でですか」 「セックスしてる時は呼び捨てだったから」 「っ!あれはッ!何と言うか…ノリ、で…」 そうノリで言ってしまった。 伊織、と。 「ずっと呼べばいいのに」 「…いつか、呼びます」 きっといつか。照れずに言えるその日まで、待っていて下さい。 . [前][次] [戻る] |