[通常モード] [URL送信]

短編
4



あれから三日経った。
図書館には行ってない。会わなければ、あまり気にならない。これならすぐ忘れられるんじゃないかと思う。

放課後、校舎を出て校門に向かうが、そこに何故かいた。中関さんが。

無視しよう。
そう決め、校門を抜けたが…やはり向こうの目的は俺らしく、引き止められた。


「隼麻くん、無視は酷いんじゃないかな」

「そうさせたのはあんただ」

「うん、ごめん」


中関さんは俺の手を取り、歩き出す。

何も言わず、ついて行くとやっぱり図書館だった。二階席の一番奥


「長谷川から聞いた」

「そうすか。でも安心してください。もう忘れつつあるんで」

「隼麻くん、」

「中学生は苦手で俺は観察対象。それだけですよね」


だからいいんだって。


「恋人になりたいとか、望んでないんで」

「隼麻くん!」


ドンと強めに本棚に押し付けられる。中関さんは怒っているようだった。
なんで、あんたが怒る?


「この三日、ずっと待ってた隼麻くんが来るの。でも来なかった」


だから会いに行った、と。


「…なんのために」

「謝りたかったんだ。隼麻くんがいないと、小説読む気にならないんだ」

「なにそれ」


目を伏せる。
…都合のいい奴


「ごめんね、無神経な事ばっかり言って。でもやっぱり、隼麻くんにはここに来てほしい」

「いやだ」

「どうして」

「やっと忘れようとしてるのに、わざわざ来ません。それに、嫌なんで観察対象は」


どうせ、観察対象以上にはなれないんだろうし


「忘れなくていいよ。隼麻くんの気持ち受け止めるから」

「別に無理しなくていいですよ」

「無理はしてないよ」


嘘つくなよ
中学生は駄目なんだろ


「他の男とキスしないで。僕が隼麻くんの隣を歩いてもいい?」

「…知らない」

「隼麻くん」

「…っ、勝手にすれば」

「うん」


くしゃりと頭を撫でられた。


「ほんと、都合いいなあんた」

「ごめん。僕には隼麻くんが必要みたいだ」


…でもあんたは、好きとは言わない。それは、今まで通りって事なんだろうか?
あんたの考えてる事、分かんない



[前][次]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!