短編 1 腐男子受け 主人公は好き嫌い多いですが、軽くスルーして下さい 「彼氏さんよ、ついに見つけたんだ」 「何をだよ」 「萌えだよ。ついに俺が萌えるやつが」 「お前、萌えとやらの好き嫌い多いもんな」 視聴覚室、いつものようにそこから校内ウオッチング。 「そうなんだよ、王道にはもう飽き飽きだし、」 一年前、この学校にもまさに王道主人公!という奴が転校してきたが、見てるだけでうざかった。 カツラ取ったらちょー美人とか、ありきたりだし、悪いけど俺、美人受けとか、可愛い受けとか受け付けないんだよ。 そして次は平凡主人公。 うん、普通だったね。 一時期ハマったんだけど、チキンな平凡ってなんか…ぶっちゃけムカつく。 何をそんなにビビる必要があんの!?不良くんは、ただ話してるだけじゃんって。 これって俺だけかなぁ? あとはそうだなぁ あー、あれあれ、主人公がかなり鈍感とか無理。 ちょっとならいいと思うんだけど、たまにいきすぎてるじゃん? あれは無理。 それと極度の方向オンチとか。 何回か歩いたら、覚えるでしょ。 最近は脇役とかチャラ男流行りだよね。 でもあれ多いよね、チャラ男実は真面目でセフレいませーん、みたいな奴。 それもうチャラ男じゃないじゃん あとさぁ、脇役に何かと腐男子出すのは何で? いらなくない?って思うのは俺だけ? 「で、今度の観察対象は?」 「校長せんせー」 「…は?」 「見てたらすごく萌えた。ちょっとプライド高いけど、優しいし、43歳だし」 「……ありなのか」 「ありなんです。しかも、先生達から無駄に信頼されてるし」 「無駄にってお前…」 「ところで彼氏さんや、俺は欲求不満だ」 イスに座っている彼氏さんに笑って近づくと、彼氏さんはため息をつきながらも俺を抱きしめた。 「彼氏さん、彼氏さん」 「…その呼び方、やめろよ」 「え、なんか良くない?俺結構気にいってるんだけど…彼氏さんは嫌か?」 「……ヤる時は、名前で呼べよ」 彼氏さん、優しい。 あれだよね、名前が彼氏だったら一石二鳥って感じじゃないか? 「了解した、彼氏さん」 「…ホントに分かってんのかよ」 呆れる彼氏さんに俺から、口づけた。 . [次] [戻る] |