短編
してえ、
リクエスト
先輩はどちらかと言えば、淡泊な方。平気で痴漢とかする先輩だが、しないならしないで大丈夫らしい。そりゃあやる時はやるが。週一くらいで。性格からしてそうかなとは思ってはいた。付き合い始めの頃はうざいくらいベタベタしてたけど。
俺は先輩とは違う。好きなんだから、やりたいと思うし、触りたい。だから、誘ってみようと思いたった。正直、恥ずかしいし、引かれたらどうしようって思う。だけど、このままってのも嫌だ。
放課後、委員会終わりにそのまま先輩の部屋に訪れ、どうしようかと悩む。
何て言えばいい?はっきり、やりたいと?いや、無理だ。
「万北?」
「…あ?」
考え込んでいたせいで、おもいっきり不機嫌な返事をしてしまった。先輩の眉間に一瞬シワが寄ったが、気付かないふりをした。
今不良化されたら困る。
「あー…、なんすか?」
「なんすかじゃないだろ。今日ずっと上の空だっただろう?何かあったのか」
くしゃりと頭を撫でられ、無意識に擦り寄る。頭を撫でられるのは好きだ。気持ちいい。
「智佳、」
「なんだ?」
「んと、」
もう言ってしまおうかな。遠回りする方がめんどくさい。
頭を撫でていた先輩の手を取り、ぎゅっと握る。
「…してえんだけど、」
小さく呟くと、片手で顎を掴まれ強引に顔を上げさせられた。先輩と目が合う。
「何を」
「セックス以外に何かあると思ってんのかよ」
「ゲームとか?」
ふっと笑う先輩の腹を軽く殴り、相手の肩に顔を埋める。
「俺とすんの、嫌なんすか」
「そんなわけないだろ」
「…だったら、しよ、」
今更になって気恥ずかしくなってきて、先輩の首に鼻を擦り付け、気恥ずかしさをごまかす。
「…オレは誘われてるのか」
「…今更、何言ってんすか」
「じゃあ、するか」
ムードも何もねぇなと、少しおかしくなった。
先輩に腰を抱かれて、寝室へ向かう。
「万北が上でやってくれるんだろう?」
「はあ!?何で!」
「誘ってきたの万北だから。それに一度やってみたかったんだ騎乗位」
「………」
ニヤニヤ笑う先輩からは逃げられそうにない。
確かに誘ったのは俺だけど…、ああもういいや、騎乗位だってなんだってしてやるよ。だって今俺すげえムラムラしてるし。
「アンタが、嫌って言っても今日は、離してやらないからな」
「それは大歓迎だ」
―――――
デレ万北
難しかったです。万北って、どうやってデレて甘えるんだろうかと考えた結果、これです。
短くてすみません…!
リクエストありがとうございましたー!
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