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短編
過保護
リクエスト



泣いてしまいそうです。ゆーろさんに怒られています。

ゆーろさんが大学から帰って来た時、俺が家にいなかったのが原因でゆーろさんは怒っていらっしゃるわけです。だけど、まだ夕方4時頃で暗くもなかった。


「まひる、」

「……」

「おいこら、返事くらいしろ。もっと怒られたいみたいだな」

「すっ、すんません!!」


ガバッと頭を下げる。
床に正座をして、足を組んでソファーに座っているゆーろさんを見上げる。
あぁ、ゆーろさん怒った顔もカッコイイっす。


「まひる、」

「は、はい!」

「何でいなかった?4時前に帰るって言ってたよなぁ?」

「…は、い…言ってました」


4時までに…いや、本当はもっと前に帰って来るつもりだった。


「お前は忘れてたのか?」

「い、いいえ…覚えてました」

「じゃあ何でいなかった」


それは一緒にいたよしくんが、まだいいだろって言ってきて、遅くなって…だから


「よしくんが…」

「吉哉のせいにすんのか」

「…す、すんません」


いやでも、だってよしくんに引き止められなければ、すぐ帰れたのに。


「お前は、オレより吉哉を取るのか?」

「っそれはないっすよ!!…でもその…たまには、ゆっくり、遊びたい、とか…」

「あ?」

「す、すんません!!何でもないっす!」


何度も頭を下げていると、ゆーろさんに頭を撫でられた。顔を上げるとゆーろさんは苦笑していた。


「泣くなよ」

「…ゆーろ、さん」

「まひるが心配なんだよ。遊びに行くなとは言わない。ただ帰る時間が遅くなるなら、連絡しろ」

「…は、ひ」

「門限10時。オレからの電話には必ず出る事、この二つは守ってもらおうかな」


口元を緩めたゆーろさん。


「8時っ、門限8時でいいっす!ちゃんと連絡します!ゆーろさんからの電話にも出ます!」


思わずそう言っていた。
いい、出掛ける事よりも、俺はゆーろさんと一緒にいたいから、いいんだ。

ゆーろさんを見つめていると、ゆーろさんに抱え上げられ、膝の上に乗っかる。


「まひるがいいならそれでもいいけど。ごめんな、束縛して」

「平気っす…ゆーろさんの愛を感じるから、大丈夫っすよ?」


笑って言うと、ゆーろさんに抱きしめられた。
だけど、足が…


「あ、あの…ゆーろさ」

「ん?」

「あ、足がしびれてる、ので、動かさないでくださいっす」


そう言っているのにゆーろさんはオレの足を掴み、足の裏を押す。


「っあ、ちょっ、ちょ…ゆーろさんっ、やめてくださッ」

「それは無理だな」


にやりと笑ったゆーろさんに別の意味で、泣きそうになった。

あぁでもやっぱり、ゆーろさん大好きっす。過保護も束縛も、大歓迎っすよ。



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