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短編
二年後(end)



「快晴だ」


空を見上げて、辺りを見渡す。
確か住所この辺だったはず…二年前に一度聞いただけだから曖昧だけど。
この辺で待ってたら、大丈夫だろう、たぶん。それで会えなかったら、それまでの関係だったって事だろう。

ホントは何をしてでも会いたいけど、二年経った今あの人は俺の事など好きじゃなくなってるかもしれないし……、恋人がいるかもしれない。
だから、会って少しだけ話がしたい。ちゃんと謝りたい。

もう一回恋人になれるかもとかは、期待しない。すげえ期待したいけど我慢する。


その場で待つこと数時間、
待ちに待った人がこっちに歩いて来ていた。俺の記憶が間違ってなければ、たぶんあの人
初めて、明るい場所であの人の顔を見た。

少し遠くにいるあの人に向かって叫んだ。


「っゆーろさん!!」


目が合う。
大好きなゆーろさんと。


「まひる…?」


二年ぶりに会えた。
驚くゆーろさんの顔を見て、涙が溢れた。近付いて来たゆーろさんに腕を掴まれる。


「お前、今までどこにいたんだ」

「…す、んませ、」

「つーかまひる、目…」

「み、えてるっす…」

「…ちょっと来い」


ゆーろさんに腕を引かれ、近くのマンションに連れて行かれる。
住所あってて、よかった。

部屋に連れ込まれ、玄関に押し付けられた。


「…説明しろ」

「ゆ、ゆーろさん…」

「説明しろ」

「…は、はい。…あの、ゆーろさんに告白した日、」


担当の先生に目の手術をする日が決まったから、五日後には遠くの病院に行くって言われた。
目の手術は海外にいる親が手配してくれていた。手術自体は半年程度で終わったが、両親に呼ばれしばらく海外生活をしていた。
だから、ゆーろさんと離れ離れになってしまいまして…


「言えばよかっただろ!手術するなら、そう言え馬鹿が!!」


バンッと顔のすぐ隣の壁を殴られ、思わず肩が跳ねた。
ゆーろさんが、怒ってる…


「…すんません。いや、あのでも、手術しても…治る確率は半分で、あ、でも俺の場合は、もちょっと低くて…」

「だから?」

「だ、だから…目が見えるようになったら、ゆーろさんに会いに行くつもりで、」

「見えないままだったら?」

「……二度と、会わないつもりでした」


また壁を殴られ、あまりの怖さに俯く。


「お前はオレが好きなんだろ?あれは嘘だったのか?」

「違うっすよ!」


ばっと顔を上げれば、前までは見る事が出来なかったゆーろさんの顔が間近にあった。


「…好き、っす…だから、ゆーろさんの、負担になりたくなかったんです。目が見えないと、ゆーろさんの負担になるから…だから、治らなかったら諦めようって」

「アホ」


ぎゅうっと抱きしめられる。
ゆーろさん、あったかい
前と変わらない、温もり


「誰が負担になるって?お前がいない方がオレにとっては、負担になる」

「…ほんとっす、か…?」


返事の代わりにキスされた。


「お前を愛してんだよ、まひる」

「っうぇ、ぅ、ゆ、ゆーろさん」


涙と鼻水を流すと、ゆーろさんは自分の服の袖で拭ってくれた。


「お前の目が見えるようになってよかった」

「はい。ゆ、ーろさん、すげえ、カッコイイっす」


暗い暗い世界はもう無い。
あるのは明るくて綺麗な世界


「ゆーろさん、大好きっす」


暗闇の世界とはおさらばだ。
大好きな人と生きていこう



「あ、ゆーろさん、一緒に住んでいいっすか?」

「は?」

「…えと、住むとこ無くて…あはは、」

「お前マジで馬鹿だな」

「すんません」












―――――



終わりです、一応
ぐだぐだしてしまったような気がしますが…
そのうちおまけでも書こうかと思います。

ありがとうございました!



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あきゅろす。
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