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SMILE!
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―side.依鈴



八さんと別れて来たのは、風紀管理室。
忌まわしいあの人気ランキングのせいで、強制的に入る事になった風紀委員会。
一年の時からずっとだ。しかし近々あるランキングで上位に入らなければ、風紀委員会ともおさらば出来る。今度入ってくる新入生に期待しよう。


「あ、依鈴おかえり」

「おかえりなさい」


風紀管理室にいたのは双子。俺と同じ二年で名前は滝矢咲と滝矢菊。双子といっても、顔は似てないし性格も違う。ただ行動がたまに同じなだけだ。
咲は視力が悪いのか眼鏡をかけていて、明るく風紀のムードメーカー的な存在だ。菊は咲と違い、すごく落ち着いている。眼鏡は菊の方があっている気がする。咲の方は副委員長も勤めている。


「ただいま」


コップに水を注ぎ、八さんから貰ったバラをそれにいれる。枯れないようにしないとな。


「依鈴、それどうしたの」


菊がバラを指差しながら言う。咲はバラを軽く触っていた。


「これバラだよねー?しかも蕾だし」

「ああ、貰ったんだ」

「「誰に?」」


こういう所でハモんな。
はぁ、とため息をついて誰だっていいだろと答えた。


「えー気になるー。ねぇ菊」

「うん、気になるね」


コイツらに八さんの存在を教える訳にはいかない。八さんに迷惑がかかるような事はしたくないし。何よりあの人を知られたくない。


「…早く仕事終わらせるぞ」

「「スルーされた」」


明日は入学式。そのための準備もある。
さっさと終わらそう…



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