SMILE! ごめん 保健室のベッドで後ろから五十嵐に抱きしめられ、隣には真樹先生が座っている。 のんびり過ごしていたら扉が開き、青柳と黒川が入って来た。青柳の手にはビニール袋。中に大量のパンやお菓子が入っている。 「はっちん、大丈夫?」 「……ああ、平気だ」 そう言うと黒川は安堵の表情で、よかった、と呟いた。 「はい、はちゅお腹すいてるでしょ」 ビニール袋の中から、サンドイッチやメロンパン、お菓子を取り出し、渡して来た。 「……こんなに、食べれない」 「明日食べればいいでしょー。それと…ごめんね、いろいろ」 苦笑する青柳。そんなに責任を感じる必要はないのに。 渡されたパンやお菓子をベッドに置いて、五十嵐から離れ青柳の元へ行く。 「はちゅ?」 ほんの少し上にある青柳の頭を撫でる。青柳は驚いていたが、構わずに撫でた。 「……大丈夫。青柳が、謝る必要はない……だから、そんな悲しい顔、するな」 青柳は顔を歪めて、またごめんと言った。でも次にはありがとうと小さな声で呟いた。 やっぱり、この時のおれは何も知らなくて…青柳が言うごめんの本当の理由が分かっていなかった。 すぐ側に敵が、いる事に気付きもせず……危機が迫っていた。 . [まえ] [戻る] |