SMILE! 2 「…っ…はあ…く…、ん、」 深くて長いキスが終わった頃には、身体の力が抜けおれは本棚に背を預け、座り込んだ。 「…江夏サン、おとなしくしててよ?」 大神は座り込むおれに覆いかぶさり、おれの着ているつなぎに手をかける。 「…っやめろ…!」 「うるさいよ」 口を塞ぐ為か、大神はまたキスをした。キスと同時につなぎを腰まで脱がされる。力の抜けた身体で抵抗しても大神は気にする事もなかった。 「…っは、あ……やめて、くれ……っぅぁ…」 大神は、つなぎの下に着ていたシャツの中に手を入れ、直接肌を触る。 「アンタ、男とヤった事ある?」 あるわけない。 肌を撫でる大神の手が、気持ち悪くてその手首を掴む。 「……触る、な…」 「アンタの事だから、なさそうだね。てか、手邪魔」 「……っい…」 大神は、おれの両手を無理矢理、背中の後ろに持って行き、自らのネクタイできつく縛った。 「最近さ、風大のせいでろくにセックス出来ないんだよね」 耳元で言われた言葉に、目を見開く。だから江夏サン、相手してよ、と。 大神の相手してよという発言から、数分後、 「何で、風大と一緒にいると思う?」 「…っふ……く…んっ、んッ」 そんな事聞かれても、答えられる状況じゃなかった。 腰まで脱がされていたつなぎを、太股まで下ろされ、下着まで下げられていた。 下半身を人の前に出しているという、ありえない事実に、縛られている手を握り締める。そして、大神はおれの自身を触っている。 大神もおれも同じ男だ。だから、どこを触れば感じ、気持ちいいのかなんて、すぐにわかる事。 すでに自身から先走りが流れていた。そのせいで、大神が手を動かす度に、ぐちゅと音がする。耳をふさぎたくて堪らない。 「ねぇ、聞いてる?江夏サン」 「…っぁ、ふ…ぅ…ん、くっ、」 声が出そうになるのも、唇を噛み締めて堪えた。血の味がするのは、唇が切れているからだろう。 「唇、切れてるよ?」 ギリと噛み締めている唇を大神はペろりと舐めた。その行為に、噛み締めていた唇が開く。 「…ぁっ…は、っ…なん、で…」 何で、こんな事をするんだと、大神を睨みつける。 大神は微笑み言う。 「アンタが一番都合がいいから」 どういう事だと聞く前に、大神は話し始める。しかし、おれのを触る手は止めようとはしない。 . [まえ][つぎ] [戻る] |