SMILE!
2
「それで、話し戻しますけど」
おれに恋愛感情を持ってるのは三人だって話。
…たぶん、三人
「本当に三人だと思います?」
「………、」
告白をされたのは三人。
だから、そう思った。
「キス以上、」
「…え?」
「だからキス以上の行為をした人は貴方に恋愛感情を持ってると思いますよ」
キス以上の行為、
それだと、真樹先生達を外しても四人いる。岩代の言う事が本当ならの話だけど。
「で、何人いるんです?」
「………、」
「根性焼き、」
「…四人です」
その聞き方はずるい…。
絶対、言わなきゃいけないじゃないか
「四人?僕は二人だと思ってましたよ」
二人?
誰の事を言ってるんだろう
そう思い、岩代を見ると察してくれたのか答えてくれた。
「隠岐と佐々ですよ。合ってますよね?」
「……合ってる、けど…」
隠岐と流星はおれの事、好きなのか…?
でも、流星は友達だって言った。だけど、友達ならばあんな事、しない。隠岐は…わからない。
あまり喋らないし…
二人がおれを好きになる理由なんて、ない。
「けど、なんです?」
「……二人が、おれの事を好きだとは思え、ない」
ただ、思いたくないだけかもしれない。真樹先生達の告白だけで、おれにはいっぱいいっぱいなのに、どうすればいいんだ。
「セックスまでしておいて、何故そう思えるんです?」
「…っ流星とは、してない…!」
「ふぅん、そうですか」
なんか墓穴掘った気がする。
だって岩代が楽しそうに笑っている。
「佐々とはしてないんですか。でも、佐々の態度を見てれば分かると思いますけど」
「……ほんとに隠岐も流星も、」
おれの事、好きなのか?
そう聞けば岩代はため息をつく。
「気になるなら、確かめればいいでしょう?」
聞いたら答えてくれるんじゃないですか?と岩代は言った。聞けないから、岩代に聞いてるのに。
俯くと岩代に片手で顎を掴まれ、顔を上げられた。
「そういえば、あと二人って誰ですか?」
「……あ、えーっと、」
「根性、」
「…大神と木野です」
とりあえず、顎から手を離してほしい。
「大神と木野ですか…」
岩代は何か考える素振りしてから、顎から手を離した。
「木野はどうか知りませんけど、大神は遊びの可能性が高いでしょうね」
やっぱりそうだよな
最初もそんな感じだった。
「……木野は違う」
「違うって何がですか?」
「……助けて、くれただけ、だから」
助けてくれた。
ただそれだけだから…、違う。
「そうですか。でも分かりませんよ、人の気持ちなんて。変わりやすいものですからね」
「……そう、だけど」
「それに貴方に興味がなければ、助けはしないでしょう?」
おれに興味がある、それだけならいいじゃないか。それ以上の事に発展しないのなら。
「もし、」
突然、手首を掴まれた。
「……岩代?」
「もし僕が抱かせてほしいと言ったらどうします?」
…は?
急に何を言い出すんだ
「……からかうの、やめろ」
「からかってないですよ。僕は貴方に興味があるんです」
掴まれた手首を引かれ、床に押し倒された。
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