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SMILE!
おれの事



さっきの話しの続きをしようと思い、お茶を入れ六に出す。六はベッドから移動し、イスに座る。その向かい側におれも座った。


「それでさっきの八が好かれてるって話だけど」

「……好かれてるって…、」

「なんか間違ってるか?」

「…間違っては、ない…と思うけど、」


好かれてるって、なんか違う気がする。告白はされたけど。


「……六は…、男同士って、平気か?」

「んー、まあ周りにいたし平気だけど」


じゃあ大丈夫か、とぽつりと言った。


「……告白、された、んだ」

「…は?もう告白済み?」


コクンと頷くと、六は身を乗り出して誰に、と聞いてきた。


「……真樹、先生と」

「はい、ちょっとストップー」


六は手の平をおれに向け、そう言う。何故止めるんだと首を傾げると、六も一緒に首を傾げた。


「…まね、するな」

「してねぇよ。驚きと困惑でいっぱいいっぱいだ」


驚く要素がどこにあるんだ。


「真樹先生って、保健医の先生だろ?」

「…ああ」

「そうか…。つーか、一人じゃないのかよ?」

「…あと…、鈴と矢沼、」

「誰?」


そうか、六は来たばっかりだから知らないよな


「…えっと、」


何て説明しようかと、悩んでいると六が聞いてくる。


「あれか、先に三人食堂出て行っただろ?アイツらか?」

「……流星は、違う」

「は?アイツ違うの?明らかに八の事、好きそうだったけど」


流星は友達だと言った。
おれも友達、だと思っている。
だけど、流星とは友達以上の行為をしている。友達でもない、隠岐とは…それ以上の事もした。
分からないんだ、流星も隠岐もおれの事をどう思っているのかが


「佐々っていう奴だけじゃなくてさ、ほらあの金髪の生徒会長も八の事、気にしてるみたいだった」


六はよく見ている。
でも、加賀谷もおれの事をどう思っているのかは知らない。
だけど、キスはした。それを言えば、他にもキスをした人はいる。
本当に、おれは何がしたいんだろう…


「はーち、どうした?」

「……どうすればいいのか、分からなくて…」

「八は告白してきた人にちゃんと答えたんだろ?」


ちゃんと答えたどうかは分からないけど、おれなりに伝えたつもりだ。


「……たぶん、」

「じゃあいいんじゃねぇの。悩め悩め、相談ならいくらでも聞いてやるから」

「…ありがとう」


ふ、と笑うとわしゃわしゃと頭を撫でられる。
今日だけで、何回頭撫でられたんだろう


「でもなぁ…、正直すげー嫌だ」

「…なにが?」

「八が、誰かと付き合ったりするの」


そんな、まだ好きな人もいないのに、誰かと付き合う予定などこれっぽっちもない。


「八が誰かと付き合い始めたら、親友の俺の出番はねぇだろ?」

「…っそんな事ない。六が1番大切だ」


六がどこかへ行ってしまうのは二度と嫌で、思わずそう言った。
六と良仁さんはおれの中で1番大切。


「嬉しいけど、俺すげー嫉妬されそう。あ、そうか…俺達が無意識にいちゃついてたから、アイツらは嫉妬して……あー、そういう事ねー」

「…?」

「はちー、人前じゃあんまり絡まない方がいいか?」

「…なんで?六は嫌なのか?…六が、嫌なら…皆の前で話すのは、我慢する」


六に迷惑がかかってしまうなら、我慢しよう。会えないわけじゃないのだから


「違う、違う!嫌じゃないし、我慢しなくていいから!分かった、今まで通りな」


苦笑する六。
いいのか、六と話しても。
よかった、今まで通り。



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あきゅろす。
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