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SMILE!
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「八の事、探した」

「…ほんとに?」

「ほんとに。高校入学してすぐくらいに八の親戚ん家行ってさ。そしたら、お前はもういないって言われて驚いた」

「…ごめん、」

「いいって。お前があの家にいたくないのは分かってたし」


ぽんぽんと頭を叩かれた。
親に捨てられたおれを引き取った親戚は、優しくはなかった。あの家におれの居場所はなかった。
だけど、感謝はしている。じゃなきゃ今のおれはいないから。


「そんで、しらみ潰しに八の親戚ん家に近い高校調べた。でも、やっぱお前いないし、」


そりゃそうだろう、おれは高校には行かなかったから。


「で、探すの諦めた。八に会うのは一生無理だって思ったよ」

「…おれも、諦めてた。六には会えないって」


だけど、こうやって会えた。


「やっぱ運命だなぁ。俺と八は繋がってるんだろうな」

「…そうだな」


赤い糸とは言わないけれど、心のどこかで繋がっているんじゃないかと思う。


「つーかさ、高校どこ行ってたんだよ」

「…高校には…行って、ない」


ぽつりと言うと、無言になる。


「え、八さんって高校行ってないんですか」


隣の席に座る鈴が驚いた顔をしていた。
おれ、言ってなかったっけ…?
桐也先生と真樹先生は知っていると思うけど。


「……ああ、行ってない」


行きたくても行けなかったんだ。
お金も無かったし…


「じゃあ、八君の頭は中学校で止まってるんだねぇ」


しみじみと言う流星。確かに勉強したのは中学まで、頭は悪いと思う。


「…そうか、高校行けなかったのか」


悲しそうな顔をする六に笑いかける。


「…高校に行かなかった事、おれは後悔してない。良仁さんに出会えたから」

「理事長に拾ってもらったのか」

「…ああ、働いてた所が良仁さんの親の会社だったんだ」

「いい飼い主に拾ってもらったなぁ、お前は」

「…飼い主じゃない、家族だ」


六はおれの頭を掴むとぐいと引き寄せる。おれは六の肩に顔を埋める形になった。


「八に家族が出来てよかった。最高の家族だな」


六は囁くようにそう言った。
ああ、最高の家族でおれの大切な人だ。



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あきゅろす。
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