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SMILE!
作戦会議



体育祭の練習が終わり、皆で紅専用の食堂に来ていた。
香西も真樹先生もいる。
入口付近に立っていると、但馬が寄って来た。


「ポチ、シマやけど牛乳と一緒の所におるから安心してな。エサもやったから」

「……すまない、」

「ええよ、動物好きやし。寮では飼えんから、しばらくは牛乳と一緒やけどええ?」

「……ああ」


シマと牛乳は喧嘩するほど、仲悪くなかっただろうし、大丈夫だろう。


「……ありがとう」


但馬にはシマの事でいろいろ世話になった。だから、謝るんじゃなくて感謝の気持ちを。
お礼を言えば但馬は嬉しそうに笑った。

但馬と話しを終えて、席に座る。右隣りには真樹先生、左隣りには桐也先生が座った。
皆も周りに座る。何故かおれの正面には流星がニヤニヤして座っていた。


「八、火事の事…理事長に伝えたからな」

「……はい」


いずれは伝わると思っていた。
出来れば自分で言いたかったけど、あの時のおれはそれどころじゃなかった。


「心配してたぞ、今すぐ出張先から帰ってきそうな勢いだった」


良仁さんはよく出張に行く。
学園にいる方が少ないんじゃないかと思うくらいに。


「それとしばらくは学生寮で生活しろって。お前らの階は空いてるだろ」


と、桐也先生は隠岐達を見た。
生徒会と風紀は確か一緒の階で、紅はその下の階だったはずだ。


「空いてるよーん、おれの隣が」


ニッコリ笑う青柳。
…という事は、おれの部屋は青柳の隣で決定なんだろう。


「さてさて本題に移ろうかにゃ」


面白そうに口元を緩める流星は、とてつもなく怪しい。何が面白いのかおれにはちっとも分からないが。


「まずは杏くんどうぞ。皆に言う事あるでしょ?」


ニヤニヤ笑う流星は香西を見る。香西は立ち上がって深々と頭を下げた。
おれと流星、和泉以外は訳が分かっておらず不思議そうな顔をしていた。


「ごめんなさい。ボクは今まで皆に嘘を、ついてた」

「べに様だったんだにゃー。ねぇ、杏くん?」


だから、何で流星は大事な所を言ってしまうんだろう。香西に言わせればいいのに。
そう思っていると流星と目が合った。


「僕おしゃべりだから」


何も言ってないのに…
超能力者か、お前は。柄にもなくそんな事を思った。



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あきゅろす。
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