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SMILE!
2



「言っただろう、家族なんだから置いて行ったりしないし、八くんは綺麗だよ。私の事、信じれないかい?」


その言葉に急いで首を振る。
良仁さんの事は信じてる。こんなおれを拾ってくれたのだから。


「……信じて、ます。…良仁さんは、大切な家族…だから…」


こんな事言うのは良仁さんだけ。本当の家族よりも大切な人。


「ありがとう。だけど八くん、自分を卑下するのはやめなさい。もっと自信を持ちなさい。自信を持ったってバチは当たらないよ?」


ふわりと笑った良仁さんに、コクンと頷いた。


「八くん、少しここで待っていてくれるかい?私はちょっと楢木先生と話してくるから」

「……はい」


頷くと、くしゃりと頭を撫でられた。


「じゃあ行ってくるからね」


ニコリと笑って良仁さんは、仮眠室を出て行った。
ずっと立っているのも疲れるから、ベッドの端っこに座った。
この部屋は防音なんだろうか?隣の話し声が全く聞こえない。
座ったままベッドに倒れ込む。

シマは大丈夫なんだろうか?早く帰って来て欲しい。シマも大切な家族だから。


「……シマ…」


何かあったら連絡すると但馬が言っていたし、大丈夫だろう。というか、大丈夫だと思わないとやっていけない。


「……、」


さっき良仁さんは、家族なのだから置いて行かないと言った。それは信じている。良仁さんは、嘘つかないから。
でも、本当の家族は置いて行ったんだ。今更だけど、どうしておれは捨てられたんだろうか?
考えても分からない。答えを知っているのは、どこにいて、生きているのかすらも分からない両親だけ。

そこまで考えて、目を閉じた。



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