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SMILE!
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「さあ、どうだろうな。でも一沙もハチ公に惹かれているだろう?そんな風にキレるくらいには」


と楢木を指差すと一沙はガシガシと頭を掻いて、まあなと言った。
ハチ公の事は好きだ。だが今は恋愛感情ではない。いずれ、恋愛感情になった時の為に今から牽制は必要だろう、念のために。


「という事で日向頼んだぞ」

「分かりました。でも上総、どうなっても知りませんよ」


日向はニッコリと、愛想笑いを浮かべる。それはあれか、日向もハチ公を狙っていると言う事か?


「…まあ、依鈴よりはマシだろう…たぶん」

「おい日向、あんまりアイツに手出すなよ」


楢木の襟首を掴み立ち上がる一沙は、少し日向を睨んでいた。


「あんまりって事は、多少は手を出していいって事ですよね?」


くすと笑った日向に、一沙は微妙な顔をしている。


「じゃあ、僕は保健室に行きますから」


楽しそうに保健室に向かう日向の後ろ姿を見届けて、一沙と一沙に引きずられる楢木と共に理事長室に向かった。
校舎内に入り、ずるずると楢木を引きずる一沙とエレベーターに乗り込む。


「まさか月曜から動くとは思わなかったなぁ」

「だが、そのおかげで楢木の見張りは終わりだ。そういえば一沙、隠岐に連絡はしたか?」

「ああ、理事長室に来いって言っといたから、もう行ってんだろ。つーか、この忙しい時に動くなんて嫌がらせかよ」


日曜日には体育祭がある。
風紀も生徒会も、仕事に追われている。体育祭の練習らしき事もあるし、でもこれは適当だな。


「明らかにわざとだろう」


忙しい時を狙ってべに様は動いている。
だとしたら、


「体育祭まではハチ公を一人にしない方がいいな」


顎に手を当てて、そう言うと一沙がニヤリと笑った。
何を考えついたんだか。


「仕事、手伝わせればよくねぇか?」

「仕事も減るし、ハチ公も見てられるし、一石二鳥だな」


エレベーターが最上階に着き、扉が開く。エレベーターから降り、理事長室に向かって歩く。理事長室の前に、隠岐が立っている。


「さてさて、このクソ教師をどう裁こうか」


冷酷な表情を浮かべた一沙は、それはもう楽しそうだった。
裁くのは理事長だが。
今だに気を失っている楢木を引き連れて、理事長室に足を踏み入れた。



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あきゅろす。
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