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SMILE!
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「このまま、キミを殺す事だって出来る。そしたらさぁ、利用されなくて済むよ?」


その言葉に緩く首を振る。


「……お、れは…優しくない、臆病で…、自分の、事…しか、考えて、ない…」


優しくなんて、ない。
自分の事で精一杯で、何の役にも立たなくて邪魔になるだけ。
隠岐に利用されているかもしれないけど、それはおれが役に立っているという事。
何であれ、誰かに必要とされている、それでいい。これは綺麗事だろうか?


「…キミは、馬鹿だね」


佐々は首から手を離した。急に入って来た空気に咳込む。


「これから何が起こるか分からないよ?べに様はキミを殺そうとしている、それでもいいの?」


深く頷く。
これを乗り越えなければ、前には進めない。


「八くん、首痛かったかにゃ?ゴメンにゃー?僕、綺麗事言う人、大っ嫌いで、思わず絞めちゃったにゃー」


思わず、で首を絞められたこっちの身にもなってほしい。


「ね、八くん、取引をしないかにゃ?」

「……取、引…?」


首を傾げると、佐々は楽しそうに笑った。


「僕は傍観者。だけど、八くんになら情報をあげる。べに様が次に何をするのかを」

「……助けて、くれるのか…?」

「助けるとはちょっと違うかにゃー。僕は教えるだけ。行動するのはキミ。あくまで僕は傍観者」


情報を与えるからあとは自分でどうにかしろ、と。でも情報がないよりは、いいかもしれない。


「でも、条件があるにゃ」

「……条件…」

「そんなたいした条件じゃないにゃー。情報に見合った分の八くんをちょーだい」


…ど、ういう事だ…?



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