SMILE! 2 木野の指が二本、ゆっくり中に入って来て思わず息をつめる。 「…江夏、ちゃんと息しろ」 そっと背中をさすってくれる木野に合わせて呼吸する。 「……はぁっ…、ふ」 「痛くないか?」 コクコクと頷くと木野は中の指を動かし始めた。中から、楢木先生の出したものが流れ出す。 「…ふ…、っぁ」 木野の指が前立腺を掠めた。ビクッと身体が震え、壁に爪を立て耐える。 楢木先生との行為中、一度も達する事がなかったせいか、おれの自身は勃ち始めていた。 「っ江夏、こっち向け」 指を抜いた木野はおれの肩に触れた。絶対に顔を見られたくなくて、首を振る。でも抵抗虚しく、木野によって身体の向きを変えられた。 「…っ嫌、だ…見る、なっ」 両腕で顔を押さえる。 みっともなくて、嫌だ。自分自身が、気持ち悪くて堪らない。 身体を這う、手が、舌が…、忘れられない。 「…見ないで、くれ…っ」 木野は顔を隠すおれをぎゅうっと抱きしめた。濡れた木野の服がおれの素肌に触れる。 熱い、あつい、 「大丈夫、だ」 壁におれの背中を押し付け、木野は顔を隠しているおれの両腕を取った。 頬を伝うのは、お湯か涙か…おれ自身も分からない。 「江夏、」 木野はおれの目尻を指でなぞり、キスをした。唇に。 「…っん……ふ…ぅ、」 唇を舐め、甘噛みする木野のキスは優しくて抵抗する気にはなれなかった。 「わりぃ、嫌だっただろ」 苦笑し、濡れたおれの髪を撫でる木野におれは首を振った。 「……い、や…じゃ、なかった」 木野の腕を掴み、そう言うと木野は驚いたようにおれを見た。 「…っお前、そういう事言うんじゃねぇよ」 本当の事を言ったんだが、いけなかったんだろうか… 「……木野…、っん」 「あと少しだから、オレに掴まっとけ」 腕を首に回すように促され、そっと木野の首に掴まる。 「…っふ…、ん…っぁ」 また指が入って来て、中のものを掻き出す。 濡れた目で木野を見ると、木野は舌打ちして、おれの唇に噛み付いた。 「…っん…ん…、はっ」 息苦しくなって口を開けると、そこから舌が侵入する。舌を絡め取られて、吸われる。 「…ふ、ぁ…はっ…んん、」 いつもなら、抵抗していた事も今だけは抵抗する事はなかった。 身体が熱い。熱に浮かされたおれは木野に掴まってキスに答えた。 . [まえ][つぎ] [戻る] |