SMILE!
危機
真樹先生に告白されたあの日から三日、経った。
その間も嫌がらせをされた。
校舎近くを歩いていると、上から水が降ってきたり、片付けた花壇に、真っ赤なペンキが流し込んであった。おれにはどうする事も出来なくて、真樹先生に相談すると次の日には綺麗に片付けられていた。
嫌がらせを受けていても、温室だけは無事なので、それだけは安心出来た。
「もう大丈夫ね」
今日でこのガーゼ交換も最後らしい。
そういえば、最近は桐也先生に会ってない。忙しいんだろうか?
「…真樹先生、桐也先生は、」
「ああ桐也?もうすぐ体育祭があるからそれに追われてるのよ」
もうそんな時期なのか…
いろいろあって忘れていた。
いままでの体育祭は遠くから見てるだけだった。きっと今年もそうなるだろう。
だけど、今年は知ってる生徒もいるから前よりは楽しく見れるはずだ。
「はっちゃん、今日は何も嫌がらせなかった?」
「……はい」
珍しく今日はまだ何もされてない。いつもだったら、朝から何かしらの嫌がらせがあるのに。
「気をつけるのよ」
真樹先生の言葉に頷く。
でも、これから起こる事は気をつけていても、防げない事だったんじゃないのか、と…。
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