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SMILE!
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「……真樹先生は、どうして…おれに、キス…するんですか…」

「え?」


一瞬ポカンとした真樹先生は苦笑した。


「はっちゃん、とりあえず服着ましょうか」

「……あ、はい」


つなぎを手渡され、また視線を感じながら、服を着た。
二人並んで、ベッドに座る。


「あたしがキスする理由、だったわね」

「……はい、」


真樹先生はおれと目を合わせ、にっこり笑った。


「はっちゃんが好きだからよ」

「……へ、」


え?好き…?
それは、どういう意味で?友情、家族…それとも、恋愛?


「はっちゃん、何かあったんでしょ?そうじゃなきゃ、こんな事聞かないわよね」

「……わから、なくて…どうして、おれに…、おれなんかに、キスをするのか」


好き、だから?その好きにはどういう意味がある?


「あたしは、本当にはっちゃんが好きだからキスしたいと思うわ」


両手で頬を包み込まれる。
大きくて暖かい手に、安心した。


「……おれ、が…好き…?」

「ええ、そうよ。もちろん恋愛感情でね」


ふわりと笑った真樹先生は、誰よりもかっこよかった。


「本当はね、まだ言うつもりなかったんだけど、はっちゃん悩んでるみたいだったし……あら、はっちゃん、顔真っ赤よ」


告白されたのなんて、初めてだし…すごく、恥ずかしい。
心臓が、うるさい。壊れそうだ。


「はっちゃん、他の人は知らない。だけどあたしは好きだからキスするの。わかった?」

「……う、は、はい…」

「ああ、あと返事はしなくていいわ。本当に好きな人が出来たその時に、答えを教えて」


一度だけ頷いた。
本当に好きな人、おれにも出来る日が来るんだろうか。もしかしたら、真樹先生かもしれないし、違う人かもしれない。それは、おれ自身にも分からない事だ。ただ少しずつ好きという感情を分かっていければいいと思う。


「という事で、キスしていいかしら?」


どうしてそうなる…
抵抗する前に真樹先生の顔が近付き、唇が触れた。


「……っん…」


いつもと同じ触れるだけのキスだったのに、真樹先生の気持ちを知ったせいか、とてつもなく恥ずかしかった。



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