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SMILE!
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「だって、べに様は晃雅くん…、いやキミ達三人を愛しているんだにゃあ……狂うくらいに」


それに晃雅と加賀谷、和泉は顔を歪めた。


「お前、アイツの正体を知ってんのか」

「とんでもないにゃー。べに様の正体なんて僕は知らないにゃ」


ニヤニヤと笑う佐々は、限りなく怪しい。
でもコイツは例え、べに様の正体を知っていたとしても、おれ達には教えない。


「ねぇ、晃雅くん…君は、八くんと矢野榊とどっちが大切なのかにゃー?」


矢野榊
晃雅が紅を創った理由。それは全て、矢野のため。
矢野は晃雅の大切な人。


「…お前、殺されたいのか」

「にゃははっ、僕はまだ死にたくないにゃー」


矢野はおれ達のひとつ上。要するにこの猫と同い年。
中等部で矢野と晃雅は、悪友だった。矢野が高等部に上がってからは、滅多に会う事はなかったが、中等部には高等部の噂が流れてくるから、状況は分かる。

矢野は高等部に入学して間もない頃、生徒会と接触し、べに様の制裁対象になっていた。
容姿は、中の上。その上、庶民だった矢野は、親衛隊やべに様にとっては最高の的だった。
その時代のべに様は権力を振りかざし、矢野の家までも潰そうとしたが、それは矢野自身が犠牲になることで防いだ。

矢野は親衛隊の制裁により、片目の視力を失うほどの重い傷をおった。その後すぐに、転校した。

ただ一言、晃雅に言い残して、俺の変わりに復讐頼んだぞ、と。
そして、高等部に入学した晃雅は紅という組織を創った。
晃雅にとって矢野は誰よりも大切な人だった。それは親友として。


「ねぇ、そろそろ協力したらどうなんだにゃ?」

「ふざけんな」

「いたって真面目なんだけどにゃー。今回のべに様はそう簡単にいかないと思うけどにゃ」


生徒会と対立しているのも、晃雅なりの作戦。
全ては、べに様という腐った制度を潰すため。



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