SMILE!
我慢 side.美涼
宰がはちゅを連れて行った後、食堂はおれ達が来た時と同じように静寂に包まれていた。
晃雅からは、微かに殺気が出ていた。
ねぇ、でも晃雅はこれを望んでたんでしょ?赤塚風大の事は誤算だったと思うけど、晃雅は親衛隊の全ての目がはちゅに向く事を望んでいたんだよね?
だから、キスもした。
ねぇ…晃雅、はちゅがこんな目に合うのは、赤塚風大のせいだけじゃなくて、晃雅のせいでもあるよねー?
はちゅを守る事だってそんなに簡単な事じゃないって晃雅は分かってるでしょ?なのにやっぱり晃雅は、傷付ける道を選ぶんだね。
でも…うん、いいよ
それでも我慢するから
それに今はさ、赤塚風大にムカついてるんだよね
手に持っていた傘を、赤塚風大の目の前に向ける。このまま目潰してやりたい。
「…な、なんだよ!人にそんなもん向けんな!」
そんなもんねぇ…
おれにとっては大事なものなんだけどなぁ。
酷くイラついた。それはたぶん、ゆっきぃや千里も同じ。
「お前さぁ、おれ達の担当に何してくれてんの?」
傘で赤塚風大の肩を、押す。
「江夏さんが、担当って…お前らが紅…!?」
「そうだよー、知らなかったんだねー」
いつもの笑みを浮かべ、赤塚を見る。
ムカつく、何ではちゅはこんな奴助けたの。さっき、はちゅにやけどさせた事だってもう頭から消え去ったような態度。
何も悪いとは思っていない。
「お前らっ、人を傷付けるなんて最低…!」
はぁ?何コイツ
何も知らないくせによくそんな事が言えるよね。
「最低?おれは、君の方がサイテーだと思うけどなぁ」
はちゅにあんな事しておいて、悪びれもせず、更には暴言も吐いてさぁ…我慢の限界でしょー
「すっごく潰してやりたいんだけどー」
「青柳、ここで、暴力事件は起こすな。面倒だ」
出て来たのは風紀の和泉。
ここでじゃないなら殴ってもいいんだー?
和泉はそう言う言い方をした。
「赤塚、」
「会長先輩っ!コイツら」
赤塚に声をかけたのは、加賀谷。会長先輩ってなに?そして何故か、加賀谷は吹き出した。
「っクク、まだ信じてんのかよ。…ウケる」
このバカ、会長が名前だと思ってんの?救いようがない。救うつもりは、全くナイけどー
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