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SMILE!
5 side.省吾



授業が始まる5分前、風大に気分が悪いから保健室に行く、と告げた。

風大はわかった行って来いよと。
僕は攻略してるから、どうでもいいんでしょ?僕の事、友達だって言うくせに、大丈夫?の一言もないんだね。
まあ僕も風大の事、どうでもいいけどね。


風大と別れ、図書館に向かっていると少し前を江夏サンが歩いていた。最近ろくにセックス出来なかったし、ちょうどいいと思い声をかけた。

無理矢理、図書館の倉庫に連れ込んだ。
自分が襲われると思っていないのか、江夏サンは全く警戒心がなかった。

自分より身長のデカイ男を抱く趣味はなかったが、ヤれればいいと江夏サンにキスをした。
最初は本気で犯すつもりだった。

だけど、犯せなかった。

切れた唇、涙で潤む目
その顔に見惚れた。
ありえない、と自分自身を嘲笑った。あの人の顔は可愛くも何でもないのに。
だけど、見惚れたのは事実で、何故かそれ以上は行為を進める事が出来なかった。


「あの顔…もう一回見たいな」


涙に濡れたあの人の顔が見たい。また唇を噛み締めて、我慢するんだろうか?

…ああ、想像しただけでゾクゾクする。



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