SMILE!
4
「…っ…ん…ぐ、」
それはもう強制的で、口の中には大神のもの。
気持ち悪くて、口の中のものを吐き出したくても、頭を押さえられているせいで、無理だった。
今だに手は縛られていて、手首が悲鳴を上げていた。
「ほら、もっと舌動かしてよ」
「…っく…ん…んん…」
口に人のものを入れているだけで、酷い嫌悪感なのに、そんな事は出来ない。
「あー江夏サン、フェラ初めてなんだ。いいよ、僕が動くから」
大神はおれの頭を掴んだまま、腰を揺らしてきた。喉にまで、大神のものが当たる。
「…ぅぐっ……く…ん、」
苦しくて、気持ち悪くて、涙がこぼれ落ちた。
「っん、その顔いいね。すっごいそそられる」
「…んっ…く…ぅ、ん…、」
握り締めた手が痛い。
たぶん血が滲んでいるだろう。
「江夏サン、出すから飲んでね」
「…っ、んー…ッ!」
ドクリと口の中に大神の精液が広がった。
大神は口から自身を抜くと、おれの口を手の平で押さえた。
「飲んでよ。片付けるの面倒だから、吐き出さないでね」
人の精液なんて、飲みたくない。だけど、このまま口の中にずっと入れておくのも嫌だった。
それなら飲んだ方がマシだと、おれは口の中のものを飲み干した。
大神はおれが飲んだのを確認すると、手首を縛っていたネクタイを解いた。案の定、手首は赤く跡がついており、手の平には血が滲んでいた。
それに気付いた大神が手を伸ばしてきたが、
「…っ触るな…!」
パシと振り払った。
頭の中がぐちゃぐちゃになっていた。何でこんな事になった、とそればっかり。
この場所にいたくない。大神から離れたかった。
「ろくに抵抗も出来ないくせに。今ここでアンタを犯す事だって出来るの、忘れてない?」
おれに近付く大神の肩を押して、鍵の閉まっている扉へ向かう。鍵は内側から簡単に開けれるもので、急いで鍵を開け、ドアノブに手をかけた。
「今度会った時は、最後までしようね」
その言葉を振り払うように、部屋から飛び出した。乱れた服を直す事も忘れて、走った。
また唇を噛み締める。無意識の内に涙が流れて、血が滲む手で口を押さえた。
「……っ…、」
気持ち悪い。吐き出したい。
こういう時、誰かに相談出来たらちょっとは気が楽になるんだろうか
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