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SMILE!
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「咲、正解だ」

「どうしてぇ?おかーさん何もしてないよぉ?」


俺が言いたかった事を戸谷が言った。


「言っただろう?親衛隊の奴らは無駄にプライドが高いと。何で、ただの用務員なのに停学になるんだ、と。それが親の耳に入る。親衛隊が暴力を振るったとしても、逆になる」

「逆ってどういう事ですか」


冷めた口調で聞いてしまったのは許してほしい。


「その用務員がいるから、暴力を振るうんだ。その用務員を辞めさせればいいだろう、と親から苦情がくる。」

「っそんなの間違ってる…!」


思わず叫ぶと隣にいた戸谷がビクリと震えた。


「落ち着け、依鈴。だから、私の立場じゃ、厳重注意以上は無理だと言ったんだ。同じ生徒から受けた処罰に親は納得しない。さて、ここで問題、」

「…は?」


にこと笑った上総先輩を見て、気の抜けた声が出た。


「この学園のトップは誰だ?」


この学園のトップ?
そりゃあもちろん、


「「理事長」」


咲と菊の声が被る。
学園のトップは理事長だ。理事長は何よりも生徒の意見を尊重してくれている。


「正解。理事長はこの学園の全ての権限と権力を持っている。まあ、権力は学園外でもあるだろうが。理事長なら、正当な処罰を下す事が出来る」

「さすがに、親も反対出来ないよねー」

「理事長に反対する奴はただの阿呆だ。反対なんてしたら、生きていけないぞ」


それ程までに、理事長は権力を持っているという事。
だけど、理事長は権力を振りかざしたりはしない。だから、生徒から信頼されている。


「それにハチ公は理事長の紹介で働いているらしいからな。親衛隊に何かされたと知ったらさすがの理事長も黙っていないだろう」


八さんって理事長の紹介で働いてたのか。てか、上総先輩はどこからその情報を手に入れたんだ?


「ハチ公の資料を拝借した」

「…俺、何も言ってないんですけど」

「顔に書いてある。とにかく今私達に出来る事は親衛隊が行動を起こす前に止める事ぐらいだろう」


それもきっと難しい。上総先輩が言ったように、どの親衛隊が動くかわからない。
めんどくさいとか、授業だとか、仕事だとか言ってるけど、やる時はやるんだよな、この人は。

絶対、八さんを傷付けさせない。俺自身としても、風紀委員としても。



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