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SMILE!
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「そうだよな!でもオレ、落とした覚えないけど」


正しくいえば落としたじゃなく、落ちただろう。どっちにしろ、この馬鹿は自分のせいじゃないと言い張るだろうが。


「きっと気付かない内に落ちたんですよ」

「そうかな?でも、やっぱりさ」


やっぱり?
お前は何を言う気だ。その煩い口、縫ってやろうか?


「風大、指輪見つかってよかったね」

「栄…、うんまあ確かにな!」


馬鹿を遮ったのは知らない奴。
栄?ああ、一年の鶴岡栄か。
タチの奴らに人気があるとかで騒いでいた。赤塚風大より綺麗な顔をしている。
ステージ上にいた鶴岡栄と目が合う。鶴岡は焦ったように頭を下げた。


「あ、あのっ岩代様、ぼく鶴岡栄っていいます」

「知っていますよ、君は有名ですからね」


にこりと笑えば、相手はそれで満足する。現に鶴岡は顔を赤く染めている。


「そ、そんな有名じゃ―」

「栄!様なんかつけなくていいって!気持ち悪いだろ!」


それを決めるのはお前じゃない。…勝手な事言って、気持ち悪いだと?
生徒会や風紀、紅の奴らが様付けされるのは僕らが上に立つ者だからだ。顔で決められたとは言っても、それだけの能力がある。
なのにこの馬鹿は気持ち悪いと言った。
鶴岡もこんな奴に目付けられて大変だな。


「そういえば、茉はどうしたんです?」


茉もこの馬鹿にべったりだったはずだが、歓迎会が始まってから、茉の姿が見えない。
何をしているんだ、あのエセ関西人が…


「知らなーい。タケちゃんとサーちゃんもいないしー」


武伊と一沙がこの馬鹿に興味がない事は知っている。だから、極力会わないようにしているんだろう。特に一沙は。
この馬鹿に指輪を持たせたら何か起こると思っていたが、そうでもなかったし、というか迷惑だから、今からは僕が持っておこう。

歓迎会もあと二時間で終わる。



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あきゅろす。
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