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SMILE!
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「好きな人といたら、俺はドキドキします。離れなくないなぁって思ったり……そんな感じだと思いますよ」

「…そういう、ものなのか」

「そういうものです」


こんな体勢で、こんな話をするのも変だ。


「さて、そろそろ戻らないといけませんよね?」

「…あ、ああ。悪い、鈴…重かった、だろう…」


俺の上から退き、立ち上がる八さん。


「全然重くなかったですよ。というか、その身長にしては軽すぎると思いますけど」

「……そう、か…?」

「そうです」


言いながら立ち上がる。ちゃんと食べているのか心配になる。


「八さん、気をつけて下さい」


八さんが指輪を持っているなんてバレたらかなりまずい事になる。


「…ん」

「じゃあ、俺は食堂に行きますけど、八さんは、」

「…大丈夫…五十嵐が、いると思うから…」

「わかりました」


今は、俺といるよりも五十嵐といた方がいい。
悔しいけど、仕方がない。
八さんと空き教室から出る。廊下に生徒もおらず、五十嵐の姿も見えなかった。五十嵐の事だから、後を追ってくると思っていたけどアイツどこに行ったんだ。


「五十嵐、いませんね…」

「…ああ。…とりあえず、外に行ってみる」

「一人で、大丈夫ですか」


八さんは一度だけ頷いた。
普通だったら一人で大丈夫ですかなんて、聞くような歳じゃない。
だけど、この学園は普通じゃないから、聞いてしまう。
八さんなら、大丈夫だろうと自分に言い聞かせた。本当は一緒に行きたくて堪らないけど。


「…じゃあ、鈴…また」

「はい。また今度」


俺に背を向けて歩き始めた、八さんを送り出した。
また、その言葉がありえないくらい嬉しかった。

まだ貴方にこの想いを伝える事は出来ない。だけど、誰にも負けないくらい貴方が好きですよ、八さん。



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あきゅろす。
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