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SMILE!
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「……また…どっか行かれたら困る」

「…い、行かないから…降ろしてくれ、頼む」


必死に頼むと五十嵐は頷いて、おれを降ろしてくれた。はあ、とため息をつくと五十嵐が頭を撫でてきた。


「…あ、」


赤塚に指輪返してない。


「……どうした…?」

「…指輪、」


握り締めていた指輪を五十嵐に見せる。


「……生徒会の、指輪」

「…たぶん赤塚が、落としたんだと」


どうすればいいんだろうか?
隠岐に渡す?でも、それは違う気がする。


「……晃雅…望んでない」

「…え?」


望んでないって。隠岐は生徒会の指輪も風紀の指輪もいらないのか?まあ、確かに黒川がいれば、必要ないものかもしれない。


「……だから、八の好きにすればいい」


好きにすればいいって言われても、逆に困るんだが。
出来れば、生徒会に返したい。


「……たんこぶ…」


さっきからおれの頭を撫でている五十嵐の手が、ベンチにぶつけて出来たたんこぶに触れた。


「…さっき、ぶつけて」

「……痛い…?」


少し痛かったので、コクンと頷いた。そして何を思ったのか五十嵐は、たんこぶが出来ている辺りに口づけた。


「…っい、い五十嵐…!」

「……ん?」


何もなかったようにおれを見下ろす五十嵐。……なんか、気にするだけ無駄な感じがする。
というか、こんな事してる場合じゃない。
指輪、返さないと。赤塚に返した方がいいんだろうけど…あんまり会いたくない。
赤塚が嫌いな訳じゃない。あの赤塚の性格とどう接すればいいか分からない……苦手なんだ。
だから、出来れば…加賀谷に返したいんだが。


「…五十嵐、」

「……ん…」

「…指輪、返しに…行っても、いいか?」

「……今日はダメ」


今日はダメって…明日だったらいいのか?でも、赤塚が指輪ない事に気付いたら大変な事になりそうだな。


「…赤塚、困らない、か?」

「……知らない」


五十嵐、赤塚の事嫌いってさっき言ってたもんな。
じゃあどうしようか…
今日返すのは無理そうだから、明日返しに行こう。それなら大丈夫だろう、たぶん



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あきゅろす。
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